七色の扉
第1部「赤い扉」
人影もまばらになった駅のホーム。
終電を告げる構内アナウンスが静かに響き渡る…
「あっ‥」
麻生の背後から、突然、細い影が花びらのようにホーム下の線路に舞い落ちた‥
「ゴトッ‥プワーン」
眩しい光とともに、警笛が鳴り響く。
「なんでこんなこと‥」と思う間もなく麻生は飛び込んだ。
「ゴゴゴー、キーッ‥」
何かを引きずるような鈍いブレーキ音とともに電車が息を潜めた。
「だっ、大丈夫ですか? おーい‥」
青ざめた駅員が恐る恐る下を覗きこんだ。
「いってぇ‥いてぇよ‥くそっ」
男の低い声がセーフティーゾーンからこだました。
衝撃の1日から2日たったある日、麻生は搬送先の病院で目覚めた。
「‥俺‥いったい‥ここはどこだ…」
辺りを静かに見渡しながら、ふと隣のベッドで目を止めた。
透き通るような白い肌の綺麗な女性が点滴を細い腕に打ちながら横たわっている。
麻生は一昨日の夜のことを少しずつ思い出した…
「‥助かったのか‥二人‥」
涙が頬を伝った‥
複雑な思いだった。〜つづく〜
人影もまばらになった駅のホーム。
終電を告げる構内アナウンスが静かに響き渡る…
「あっ‥」
麻生の背後から、突然、細い影が花びらのようにホーム下の線路に舞い落ちた‥
「ゴトッ‥プワーン」
眩しい光とともに、警笛が鳴り響く。
「なんでこんなこと‥」と思う間もなく麻生は飛び込んだ。
「ゴゴゴー、キーッ‥」
何かを引きずるような鈍いブレーキ音とともに電車が息を潜めた。
「だっ、大丈夫ですか? おーい‥」
青ざめた駅員が恐る恐る下を覗きこんだ。
「いってぇ‥いてぇよ‥くそっ」
男の低い声がセーフティーゾーンからこだました。
衝撃の1日から2日たったある日、麻生は搬送先の病院で目覚めた。
「‥俺‥いったい‥ここはどこだ…」
辺りを静かに見渡しながら、ふと隣のベッドで目を止めた。
透き通るような白い肌の綺麗な女性が点滴を細い腕に打ちながら横たわっている。
麻生は一昨日の夜のことを少しずつ思い出した…
「‥助かったのか‥二人‥」
涙が頬を伝った‥
複雑な思いだった。〜つづく〜
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