七色の扉?
〜つづき〜
『赤い扉』
麻生は夢をみていた。
どこまでも続く暗闇の果てから、眩しい光の輪が麻生を優しく包みこむように近づいてくる。
不思議な感覚だった。‥生まれる前はこんな感じなのか‥
「‥母さん?」
麻生は、幼くして母親を事故でなくした。
母の顔は覚えていない。写真でしかみたことがなかった。
綺麗なひとだった。母でなければ恋していたかもしれない。
光の輪がふっと消えた瞬間、麻生は目覚めた。
「いったい、これは‥」
ふと目をあげると、夢か現実かは覚えてないが、隣のベッドに横たわっていた綺麗な女性が柔らかな眼差しを送りながら微笑んでいた。
「おはよう…やっと目が覚めたのね」
何となく聞き覚えのある声だった‥。
「‥あっ‥はい‥、‥あなたはいつから?」
「少し前に目が覚めたの。
何だかとってもすがすがしい気分だった。
何年ぶりだろう?」
彼女の透き通る白い肌に、朝の爽やかな光が反射して、まるでマリア様を見ているような感覚だった。
「あなたは?」
麻生ははやる気持ちを抑え、静かに聞いた。
「あっ‥ごめんなさい。命の恩人にまずは自己紹介だよね‥伊藤沙希。今、大学三年生です。
‥命の恩人さんは?」
思わず麻生は笑った‥命の恩人さんか‥参ったな。
キラキラ輝く瞳で次の言葉を待つ沙希の姿がとても愛らしく感じた。
「えぇっ〜と‥俺は‥あっ、麻生っていいます。
あ〜そう‥なんてよく皆なにからかわれるけど‥。
あれっ‥つまんないよね。俺なに言ってるんだろう。」
「あはは。つまんな〜い」
茶目っ気たっぷりに沙希は微笑んだ。
〜つづく〜
『赤い扉』
麻生は夢をみていた。
どこまでも続く暗闇の果てから、眩しい光の輪が麻生を優しく包みこむように近づいてくる。
不思議な感覚だった。‥生まれる前はこんな感じなのか‥
「‥母さん?」
麻生は、幼くして母親を事故でなくした。
母の顔は覚えていない。写真でしかみたことがなかった。
綺麗なひとだった。母でなければ恋していたかもしれない。
光の輪がふっと消えた瞬間、麻生は目覚めた。
「いったい、これは‥」
ふと目をあげると、夢か現実かは覚えてないが、隣のベッドに横たわっていた綺麗な女性が柔らかな眼差しを送りながら微笑んでいた。
「おはよう…やっと目が覚めたのね」
何となく聞き覚えのある声だった‥。
「‥あっ‥はい‥、‥あなたはいつから?」
「少し前に目が覚めたの。
何だかとってもすがすがしい気分だった。
何年ぶりだろう?」
彼女の透き通る白い肌に、朝の爽やかな光が反射して、まるでマリア様を見ているような感覚だった。
「あなたは?」
麻生ははやる気持ちを抑え、静かに聞いた。
「あっ‥ごめんなさい。命の恩人にまずは自己紹介だよね‥伊藤沙希。今、大学三年生です。
‥命の恩人さんは?」
思わず麻生は笑った‥命の恩人さんか‥参ったな。
キラキラ輝く瞳で次の言葉を待つ沙希の姿がとても愛らしく感じた。
「えぇっ〜と‥俺は‥あっ、麻生っていいます。
あ〜そう‥なんてよく皆なにからかわれるけど‥。
あれっ‥つまんないよね。俺なに言ってるんだろう。」
「あはは。つまんな〜い」
茶目っ気たっぷりに沙希は微笑んだ。
〜つづく〜
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