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叶わぬ想い(第2部)

[306]  ヨシ  2007-11-14投稿
5m程もある木製の大きな自動扉が開く。
汐留にある瀟洒なこのホテルは、二人の思い出の場所でもあった。

‥まだ付き合い初めて間もない頃、中田に逢えた嬉しさと照れ隠しのためか、飲めないカクテルを酔いつぶれまで飲んでいた優を、彼はここまで肩を抱きながら運んできた。
‥部屋に入る少し前から、優は意識を取り戻していた。
でも、酔ったふりをしていた‥彼にずっと心配してて欲しかったからだった。

‥思いとは裏腹に、大きなベットに優を寝かしつけた彼は、そっと部屋を出ていった‥

でも今日は違う‥彼みずから、明日まで一緒にいたいと‥ずっと、ずーっと‥待ち続けていた言葉が優の心のポストに届いたのだ‥



二人は、生まれたままの姿で朝の光を浴びた。

「‥勝った‥」

何に対してだろう‥優は静かにつぶやいた。

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