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私と天使

[217]  2007-11-15投稿

フワッと冷たい風が髪を揺らした。
鼻からスーッと空気を吸い込むと心が落ち着いた。
空を見上げると真っ暗な空にキラキラと光る星が見えた。
綺麗すぎて目をそらしうつ向く、下には何台もの車が走っているのが見える。
目をキュッと閉じて足を一歩前に踏み出そうとしたその時…。

「飛ぶの?」

え…?

目を開け慌てて振り向くと、透き通るような白い肌、サラサラと風になびく灰色の長い髪、鼻はシュッと高く、目はキラキラしていてまるで天使の様な男性がいた。

「君は飛ぶの?」

彼は恐いくらい冷静で真っ直ぐ私を見つめ、もう一度私にたずねた。

こんな時に何で人が…。
私はうつ向き唇を噛み締めた。
「貴方に関係あるの!?」

「ないね」

「とっ、飛ぶわよ!全部、全部終りにしたいの!」

彼は何も言わず去って行った。
そして、私は…飛んだ。まるで鳥になったような気分だった。フワッと下へと落ちてゆく。
ゆっくり、ゆっくりと確実に。

「そうはさせないよ」

ピタッと動きは止まり、私は彼に抱き抱えられていた。

え…?何これ…。どうなって…
「君はまだ死んではいけない」
「貴方は天使ですか?」

「どうだろうね」

彼はフッと微笑んだ。

私はグタッと気を失った。

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