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通りがけの恋(1話)

[334]  ヨシ  2007-11-15投稿
人生でたった一度でも人をこんなに好きなれたなら‥どんなに素敵なことだろう
美咲はそんな恋になるとは思いもよらなかった‥



少し肌寒い日、美咲は黄色い落ち葉の並木道を秋晴れの空を眺めながら歩いていた。

‥今日の仕事のミスは痛かったなぁ。
でも山口課長、あんなに怒らなくても‥
美咲は今日のついてない1日を思い出しながら、憂さ晴らしに誘った亜希との待ち合わせ場所へ急いでいた。


広い通りに出て信号待ちをしていると、向こうから見ず知らずの男性が手を振っている。
美咲はキョロキョロ辺りを見回したが、美咲以外、誰もいない。
‥あやしいなぁ、
こんな時間にナンパ?? でも、なんだろう‥


信号が青になり、優しい笑みを浮かべながら、その男性がこっちに向かってくる。


「おーい、ゆっこじゃん! すげぇ久しぶり」


‥なんか軽々しい、明らかに間違ってるよ、この人‥

「人違いですけど‥わたし、美咲って名前だから」
美咲は言わなくもいい名前を言ったことに少し後悔しながら冷たく返した。
これ以上、こんなことで時間を取られなくない。

「あちゃー、えっ‥ゆっこじゃなければさっこ??
人違い? またまた〜冗談でしょ」

「冗談なんか言いません。あなたに会ったの今が初めてだし‥もし、その‥ナンパとか、そんなんだったら大声上げるよ!」
美咲は頭から角が出そうな勢いでハッキリと言い返した。


「そっ‥そんなに怒らなくても‥。
ほんとに人違いのようだね。
ああ〜、すっごく喜んだ自分が損した」

‥なによー、この男マジムカつく。
損したのはこっちだよ。ほんっっと失礼なヤツ‥


美咲は相手の顔も見ず、小走りで逃げるようにその場を立ち去っていった。

すると、少し離れた後ろから、さっきの声とはうって変わって紳士的な声が追いかけてきた。

「人違いで誠に申し訳ございませでした」

向こうで男が深々とお辞儀をしながら低く通る声で叫んでいる。


‥あら、わかってくれたらそれだけでよかったのに。
律儀にお詫びなんかされても‥
咲子は少し後味悪い思いをしながら、待ち合わせの場所へ急いだ。

ほどなくして、待ち合わせの駅前までくると亜希の姿はまだ見えない。
‥亜希、仕事おくれてるのかなぁ‥

美咲はその場でしばらく待つことにした。

感想

  • 7994: 名前間違えてませんか? [2011-01-16]

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