ネットな恋(2話)
7番席にはもう誰もいなかった。
‥あの子、帰ったのかな‥
上杉は何かを期待した自分が少し恥ずかしかった。
気を取り直しながら席に座ると、上杉はもう一度ブログを見返した。
すると、日記がまた更新されている。
“憧れのあの人は、完璧な人。いつも遠くから見てる…。
でも、昨日は何だか元気なかったの。
‥切ないよ。”
〈片思いか‥〉
上杉は心の中で呟きながら、見ず知らずの女性が恋する相手をイメージしてみた。
人は想像の中で、自分を主人公にしたがる習性がある。
上杉は、相手を自分に置きかえて、その子の片思いな気持ちに酔いしれてみた。
〈ここまで一途に想われたら、幸せだよなあ〉
完璧な男‥上杉は想像から抜けでると、見知らぬ相手の男のリアルな表現に少し嫉妬した。
次の日、いつものように上杉は会社に出勤し、山のように届いている海外からのメールに目を通した。
そこに一通の和文メールが迷いこんでいる。
見知らぬアドレス。件名も書かれていない‥
ふとメールを開くとある一文がまだ起きてない頭をフル回転させた。
“広報の桜井結衣です。はじめまして”
‥桜井?聞いたことない名前だな‥
社内の情報に疎い上杉にとって、全社で数万人もいる社内の一人を知らなくても不思議ではない。
“突然のメールで驚かれていると思いますが、近く、社外広告に上杉さんを掲載しようと企画してます。
一度ご相談に乗って頂けませんか?”
上杉は唐突すぎる依頼に、少々戸惑いながらも、一度桜井と合って話してみることにした。
〈でも、なぜ件名が抜けてたんだろう〉
完璧主義の上杉は、少し気になっていた。
〜つづく〜
‥あの子、帰ったのかな‥
上杉は何かを期待した自分が少し恥ずかしかった。
気を取り直しながら席に座ると、上杉はもう一度ブログを見返した。
すると、日記がまた更新されている。
“憧れのあの人は、完璧な人。いつも遠くから見てる…。
でも、昨日は何だか元気なかったの。
‥切ないよ。”
〈片思いか‥〉
上杉は心の中で呟きながら、見ず知らずの女性が恋する相手をイメージしてみた。
人は想像の中で、自分を主人公にしたがる習性がある。
上杉は、相手を自分に置きかえて、その子の片思いな気持ちに酔いしれてみた。
〈ここまで一途に想われたら、幸せだよなあ〉
完璧な男‥上杉は想像から抜けでると、見知らぬ相手の男のリアルな表現に少し嫉妬した。
次の日、いつものように上杉は会社に出勤し、山のように届いている海外からのメールに目を通した。
そこに一通の和文メールが迷いこんでいる。
見知らぬアドレス。件名も書かれていない‥
ふとメールを開くとある一文がまだ起きてない頭をフル回転させた。
“広報の桜井結衣です。はじめまして”
‥桜井?聞いたことない名前だな‥
社内の情報に疎い上杉にとって、全社で数万人もいる社内の一人を知らなくても不思議ではない。
“突然のメールで驚かれていると思いますが、近く、社外広告に上杉さんを掲載しようと企画してます。
一度ご相談に乗って頂けませんか?”
上杉は唐突すぎる依頼に、少々戸惑いながらも、一度桜井と合って話してみることにした。
〈でも、なぜ件名が抜けてたんだろう〉
完璧主義の上杉は、少し気になっていた。
〜つづく〜
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