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たれまに〜Anniversary〜(28)

[161]  じゅりあ  2007-11-19投稿
私はひたすら和也の家に向かって走った。

何でもっと早く、こうしなかったんだろ?
自分の目で確かめなかったんだろって…今更ながら思う。
待ってるだけじゃ、ダメなんだよね。


「!?」

和也の家の前に誰かいる。
よく目を凝らして近づくと、和也本人だった。

「和…!」

私に気付いた和也は大きく目を見開いて、やがて目の前で座り込むかのように倒れた。

私は直ぐ様駆け寄って肩を貸す。

(わ…、身体が熱い…!)

「和也、立てる?」

和也の顔を覗き込むと、息苦しそうに「悪い…」と呟いた。

そう言えば…倒れこむ和也なんて初めて見るなぁ。などと考えながら、支えた状態で部屋に上がる。
相変わらずキレイに整頓された部屋に似付かわしく、ベットの上だけが乱れていた。
私はそこに和也を座らすと上着を脱がせた。
妙に二人とも無言で、静寂に支配される。
なんて切り出そう…と思ってると和也から口を開いた。

「ごめんな。気付いてやれなくて…」

「え…」
振り向いたら目があって、ドキッとする私。

「淋しい思いさせて悪かった」
弱々しく伏せ気味になった目。
私は彼に向けて大きく首を横に振った。

「わ、私の方こそ…」

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