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続 届かない手紙3

[630]  たかし  2007-11-19投稿
病室に慶治と孫の真理が話している。


「真沙恵には内緒じゃぞ〜」


「わかってるって!任せなさいっ!」


「ほんじゃ、おじいちゃんまたくるね!」

「タマぁ!帰るよ〜!」

「にゃわん!」

〈真理は、タマを「信州みかん」の段ボールに入れた〉




慶治 「あぁ、タマぁ、またなぁ〜...」







《どうして今更携帯なんだろう?…………メールは、
まず無理ね....》







明くる日


 携帯会社名が書かれた紙袋を持って、病室に向う真理。


「コン、コン!………失礼いたしや〜す」




慶治 「おぉ、真・沙・..」
真理 「真理!」


「じゃがじゃ〜ん!

真理 「約束の携帯をもってきましたよ〜!」


慶治 「お!..すまんのぉ、どれ、みしてくれんか?」


慶治は興味深く、子供の様にいじり回す。


「め・め〜るっていうのは....どうやるんじゃ?..」


真理 「なっ?」

《いきなりかい!このじじい》







〈慶治が入院する前〉

慶治の三女真沙恵

「先生、父の検査結果は........」

二人は、机の上のボードに映っている慶治のレントゲンを見ている。


「..悪いんですか?」


主治医の顔が曇る



「レントゲンで診る限り、大腸と肺、すい臓に影があります。」

「悪性腫瘍の可能性はかなりの確率で高いです。肺とすい臓の影は、
大腸からの転移と思われ、..他の臓器への転移も考えられ...」

話を遮るように

「あっ、悪性って、先生...ガン..ですか?...」


「はい、最終段階まで進行してしまっている様です。
手術も無理な状態で、薬でなんとか進行………」

「もう、わかりました!」





「わ..わかりましたから..先生....」




真沙恵は泣き出した



「もう、どうしょうも....ないんですね.....」






「お父さん」







検査室でしばらく泣いた






     つづく





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