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復讐…?

[828]  睦海  2006-03-26投稿
「ぁ…………。」
優梨は恐怖のあまり声がなかなか出ない……。
依子だ。髪は乱れ、顔は酷く汚れている、醜い依子。
しかも、頭が潰れている。
その格好は、あの日ビルから飛び降りて自殺した依子……
「どうして来なかったの。私は優梨を待ってたんだよ?」
笑っている依子の口から出るその言葉には、感情がない。
それが酷く恐ろしく感じられる。
「ぁ……あ……。」
優梨はその場にペタリと座り込んでしまった。
依子は1歩1歩、優梨にゆっくり近付く。優梨は脚が竦み、立ち上がれず、震えながらも後退りする。
「去年の今日、何の日だったか知ってる…?
私が、のぶに振られた日。そう、あんたのせいでな。」
「わ…私の…?」
「そうだよ…。お前がのぶを私から奪った…。親友だと思っていたのに…。」
優梨には、覚えがない。
宣彦を、私が奪った…?
確かに優梨は宣彦に恋心を抱いていた。だが親友の依子が、宣彦と付き合ってからは身を引く様になり、むしろ依子達を応援しようと思った。
「のぶは言ってた。
俺には好きな奴が居るんだ って。
だから別れてくれ って…。」
「それで…何で私が…。」
「オマエだよ!私達が付き合ってから、オマエはのぶに猛アピールしやがって…
そこまでのぶを私から奪いたかったか?
最低な女だよ…。」
そう言うと何処から持って来たのか、依子は少し錆び付いた大きな斧を出した。
「ヒィッ!!!」
優梨は声を挙げた。
そうすると、依子は顔をニヤッっとさせる。
そうさぁ…。もっと怖がれ…。
私はあんたのその顔が見たかったんだよ…。

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