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KIJIN-鬼神-〜序章〜?

[125]  若狐  2007-11-21投稿
「あっ、いらっしゃいませっ。」
お客が来たことに気付いて憂鬱な気持ちを振り払いつつ言った。
「ここは宿屋と聞いたんだが、違ったかな?」
その男(声からしてそうだろう)は聞いた。
「えぇ、ここは宿屋もやってますよ。」
答えつつ私はお客を見つめた。
断わっておくが、決して一目ぼれしたから見つめたのではない。たんなる癖だ。
うちの宿屋は以前、宿泊してもらったのちにお金を払ってもらうことにしていたので、たまに朝起きるとお客がいなくなっていることがあった。
そんなこともあって、今ではお金を1日毎に一日分払ってもらうことにしているが、以前のことが忘れられなく、お客がお金を払ってくれる人かをつい疑ってしまうのである。
この男は上から下まで一枚のよごれた麻色(あさいろ)の布を着ており、年はよく分からない。先程の声の感じからして若そうだ。
問題は、この男が荷物らしき物を持っていないことである。
(この人、お金あるのかなぁ)
と、失礼なことを考え、「お客さん、お金の方は大丈夫でこざいますか?」
と、声にまで出した。
「この宿屋はいくらぐらい?」
と、男。
「一泊100R(リンス)(だいたい500円)です。食事代は別料金ですけど。」
「あぁ、それなら足りる。何泊するかは分からないから一泊毎に払っていいかな?」
「うちは元々そういう制度ですよ。」
「あぁ、そう。じゃ、これで、一泊分と後何か食事でも貰えるかな?足りるだけでいいから。」
と、いいながら男はお金を渡した。
「足りる?」
「はい、これだけあれば充分です。そこら辺の席について待っていて下さい。出来次第持って行きます。」
「ありがとう、えっと・・・」
「あぁ、クレアです。お客さんは?」
「ディンだ。」
「じゃあディンさん、席にでも座って待ってて下さいね。」
私はそう言いながら厨房に向かった。

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