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DECEIT [脱出] ?

[548]  etc.  2007-11-21投稿
 まぶたの重みが最大限に襲い掛かって来る時間帯、今は2時を過ぎている頃だ。

 辺りは静まり返り、高速道路のオレンジのライトが浚に眠気を悪化させる。

 うとうとし始めた光を見ていた望は、パソコンをスタンバイにし、聞いていたラジオを止める。

 そんな気遣いを知ってか知らずか、既に光は頭を垂れ下げながら意識を無くしていた。

 運転をしていたマークが静かに望に話し掛けた。

 「……本当に大丈夫なんだろうか」

 右手の人差し指がハンドルをトントンと叩いている。

 マークの昔からの癖で、心配事となるといつも表れる症状のような行動。

 「任務の事か?」

 返答をした望の視線は前を向いたままだ。

 「本部からの報告からして、奴らもてこずっているとうかがえるが……。 しかし妙に動きが良すぎる…… まるで監視されているような気分だ……」

 「そうだな……。 今までに経験した中でも、最悪と言っていいほどの仕事だろうな……」

 バックミラーに目をやると、Jも夢の中らしい。

 ちょうど後部座席の二人は、寄り掛かり合いながら眠りについている。

 「……なぁ、マーク」

 前を向いていた望が運転手を見つめた。

 「どうしたんだ? 顔色が悪いぞ」

 額にシワを寄せる外人は、珍しいものを見るような目で望の暗い顔をちらっと見る。

 「俺……今回の仕事で、CIAを降りようと思っている」

 一瞬、車の走行がぶれた。

 「いきなりなんだよ。 お前らしくないじゃないか」

 「これはおれの勘でしかないんだが、何か取り返しのつかないことをしているような気がしてならない。 何か大きな……」

 「大丈夫だ。 今回の任務なんていつも通り、簡単で確実なもんだろう。 俺らはあのお嬢ちゃんを本部までお送りするだけだ。 何も心配することはない」

 「だといいんだが……」

 冴えない顔のまま、望は背もたれを後に傾け、頭に腕を回しながら横を向いた。

 「悪いが、後は任せた」

 「睡眠はバッチリ取ってあるから大丈夫だ。お前はゆっくり休め」

 「悪いな。 お言葉に甘えるとするよ」

 「空港に着いたら起こしてやるさ」

 返事もないままぐったりした体はもう起きなかった。

感想

  • 8465: これ、《DECEIT [脱出] ?》でしたね、すみません…… [2011-01-16]
  • 8466: 浚に勘違い……………すみません。。゜(゜´Д`゜)゜。 これ《DECEIT [移動] ?》ですね [2011-01-16]
  • 8467: あ、?だ [2011-01-16]

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