電話
検査薬の判定を確認して部屋に戻る。
旦那はまだ寝てる。
普通なら結婚してて子供が出来たとなると素直に喜べるはず。
子供はまだ…とか言っても避妊とかしてたわけでもなく、
「付き合ってた時も大丈夫だったから妊娠したりしないっしょ。」
こんな軽い気持ちでいた。
(それに結婚してんだし、子供が出来るのは自然なこと。)
そんな考えから気の緩みが出ていたのかもしれない。
(やば…どうしよう。)
今のあたしは母親失格だよ。
迷ってるんだよ?
そんなの迷うことじゃないって分かってるのに。
旦那を送り出して、しばらく横になる。
旦那には言えなかった。
プレッシャー感じさせてしまうかもと思ったから。
こんな時、頭に浮かぶのはお母さん。
お母さんに電話しよう。
「もしもし。」
「あれ?仕事は?休み?」
「具合悪いから今日休んだ。」
「お母さん。
あたし、妊娠したっぽい。」
「そうなの?」
「うん。検査薬で調べただけだけど反応出てる。」
「それなら寒くなる前に早めに病院行きなさい。」
短めに話した電話を切った後、不思議と涙が出た。
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