漆黒の翼 27
『あれ…?』
龍華はもうダメだと思い、目を閉じていたが痛みも、肉が切れる気持ち悪い音も聞こえて来ない。
代わりに聞こえて来たのは
「あなた…誰?」という困惑する悪魔の声だった。
龍華は恐る恐る目を開けた。
目の前には黒いスーツを着た天使だった。
龍華は一瞬、増援に来た執行部だと思ったが、目の前の人物に見覚えは無い。
執行部に勤めている者は25人。
名前と顔は全員覚えている。
それに現場にこの様なスーツを着て来る事自体有り得ない。
現場には執行部専用の戦闘服を着て来る筈だ。
「何で…?
体が動かない!?」
悪魔はそう言った所でようやく龍華は自分の体が動かない事に気が付いた。
更にエルファが周辺の住宅街に被害が出ない様に張った『鳥籠の結界』は破られ、赤い魔法陣は消え、黒い腕も無くなっている。
「助けてくれてありがとう…と言いたい所だが、あんたは誰だ?
増援か?」
訳の判らない様子で突っ立っている龍華とは対照的にエルファは困惑しながらも謎の天使に質問した。
「俺は執行部の者でも軍部庁の役人でも無い。」
そう言うと男は悪魔に話し始めた。
「メルディーナ…自分が一体何者なのか…
どうゆう存在なのか知りたくないか?」
「あなた…何で私の名前を?」
「貴女の本当の名はそれでは無い… 失われた記憶と、貴女の立場を俺が教えてあげよう。」
そう言うと天使は悪魔を抱き抱えた。
「ちょっと!!
なにすんのよ!!下ろしてよ!!」
メルディーナと呼ばれた悪魔は怒鳴るが天使は無視してその場を去ろうとした。
「おい待てよ!! お前達仲間なのか!?」
龍華がそう言うと天使はメルディーナを地面にそっと下ろして、地面に落ちている金の刀を拾い上げて龍華の首筋に突き付けた。
天使は天使には有り得ない筈の真紅の瞳で龍華を数秒間睨み付けた。
そして刀を下ろして龍華とすれ違い際に龍華にこう呟いた。
「お前は『生かされている。』という事を頭に入れて置けよ。」
そう呟くと、天使とメルディーナはテレポートして姿を消した。
龍華はもうダメだと思い、目を閉じていたが痛みも、肉が切れる気持ち悪い音も聞こえて来ない。
代わりに聞こえて来たのは
「あなた…誰?」という困惑する悪魔の声だった。
龍華は恐る恐る目を開けた。
目の前には黒いスーツを着た天使だった。
龍華は一瞬、増援に来た執行部だと思ったが、目の前の人物に見覚えは無い。
執行部に勤めている者は25人。
名前と顔は全員覚えている。
それに現場にこの様なスーツを着て来る事自体有り得ない。
現場には執行部専用の戦闘服を着て来る筈だ。
「何で…?
体が動かない!?」
悪魔はそう言った所でようやく龍華は自分の体が動かない事に気が付いた。
更にエルファが周辺の住宅街に被害が出ない様に張った『鳥籠の結界』は破られ、赤い魔法陣は消え、黒い腕も無くなっている。
「助けてくれてありがとう…と言いたい所だが、あんたは誰だ?
増援か?」
訳の判らない様子で突っ立っている龍華とは対照的にエルファは困惑しながらも謎の天使に質問した。
「俺は執行部の者でも軍部庁の役人でも無い。」
そう言うと男は悪魔に話し始めた。
「メルディーナ…自分が一体何者なのか…
どうゆう存在なのか知りたくないか?」
「あなた…何で私の名前を?」
「貴女の本当の名はそれでは無い… 失われた記憶と、貴女の立場を俺が教えてあげよう。」
そう言うと天使は悪魔を抱き抱えた。
「ちょっと!!
なにすんのよ!!下ろしてよ!!」
メルディーナと呼ばれた悪魔は怒鳴るが天使は無視してその場を去ろうとした。
「おい待てよ!! お前達仲間なのか!?」
龍華がそう言うと天使はメルディーナを地面にそっと下ろして、地面に落ちている金の刀を拾い上げて龍華の首筋に突き付けた。
天使は天使には有り得ない筈の真紅の瞳で龍華を数秒間睨み付けた。
そして刀を下ろして龍華とすれ違い際に龍華にこう呟いた。
「お前は『生かされている。』という事を頭に入れて置けよ。」
そう呟くと、天使とメルディーナはテレポートして姿を消した。
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