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S高校放送部怪奇ファイル?〜走る謎の剥製!〜

[502]  SERIZA  2007-11-23投稿
「怪奇ドラマを作る?」
「そう!このS高校を舞台とした怪奇ドラマを作るの。私達放送部で」
ここは北海道にあるS高校。そこの二階に位置する放送部部室では、部長『西野香絵』が怪奇ドラマを作ると提案していた。
提案した相手は香絵の幼馴染み『中谷晴彦』だ。
2人は高校2年で年齢は17歳。放送部員であり、香絵は10月に部長を引き継いだばかりだ。それから一月が経ち、壁に張ってあるカレンダーは11月となっていた。
「だってこの学校っていろんなが噂あるじゃない。それをドラマにしたら面白いでしょ?」
「噂って…例えば?」
やる気満々の香絵に対して、晴彦は気のない口調で返す。気にせず香絵は話を続けた。
「夜中に走る鹿の剥製とか?」
「…なぜか生徒玄関に飾ってある鹿の剥製だろ?アレはデマだろ」
「そんなの確かめてみなきゃ解んないわよ!」
「確かめるって…どうやってだよ?」
「そりゃあもちろん…」
長い付き合いの晴彦には嫌な予感が走った…。

「…マジで夜中の学校に忍び込むのか?」
「そうよ。当たり前じゃない!」
香絵が胸を張って言う。
夜、2人は学校の校門の前に立っていた。晴彦が腕時計を見ると時間は11時になってる。
「しかも、雨まで降り出してきやがった」
「ほんと!早く中に入りましょ!!」
忍び込む為、放課後事前に一階の廊下の窓の鍵を開けておいた。そこから2人は忍び込む。
例の鹿の剥製がある生徒玄関まで行く。夜中に見ると不気味だが何も妙な所はない。30分ほど鹿を見ていたが、動く気配はなかった。
「やっぱ何もねーよ。帰ろうぜ?」
「…そうね、行きましょう」
2人は帰ろうと歩き出す。すると、香絵は影のようなものを窓の外に見た。
「晴彦!なんか外にいる!」
「え?」
窓の外を確認するが雨が降っているだけだ。
「何もいないぞ?」
「…まさか、鹿の剥製が!?」
2人は鹿の剥製の所まで戻る。鹿の剥製の姿はちゃんとあった。
「…いるわ」
その時香絵は何気に鹿の剥製に触れてみる。
「…あれ?鹿…濡れてる…」

次の日、放課後の部室には2人がいた。
「やっぱり、鹿は雨の中で走ってたのよ」
「……」
「この調子でいろんな噂を調べるわ!そして最高の怪奇ドラマを作る!」
そんな香絵を見て、晴彦は深く溜め息を吐いたのだった…。

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