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愛の息

[184]  コナ  2007-11-23投稿
私の家族は5人家族。父、母、姉、弟に
私。


『あなたにとって家族とは何?』
なんて、よく中学や高校で課題として作文を書いたものだ。
大抵の人は、宝だとか大切なものだとか答えることが多いかもしれない。 そして私もその中の一人だ。
でも、ふと気がつくと心の中でもう一人の私は、必死で声に出さないように泣いている。周りの誰にも気付かれないように。人に踏みつぶされ、足が思うように動けないアリのように。


物心ついた頃から、私は神経質になっていた。
遠方に住んでいる祖父・祖母からの電話が二か月に一度くらいの程度でかかってくる。

『元気にしてる?』
『さゆりは元気?』
『たかは大きくなったかな?』
それに対して母が受け答えをする。


私の名前が出てこない‥


初めはそんな事気にしてなんかいなかった。気付きもしなかった。
でも、何度も聞いているうちにいつも同じである事に気が付いた。

どうして、私だっているのに‥




それだけじゃない。
母も父も、私を呼ぼうとする時決まって、

『さゆ〜、たか〜、あ、りな』


なんでいつも私の名前はすぐに出てこないんだろう。



次第に、心の中で空気が少しずつ冷たくなり、息をするのが辛くなるのを、小学生の私は必死で震えながら息を吐いていた。

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