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僕と野球と彼女とその他 2

[104]  diamondS  2007-11-24投稿
初夏にしてはものすごい暑さだった。

「1年マシン片付けろよー。」

ガチャガチャとスパイクの音が重なるグランドの隅っこのベンチ。

木陰はだいぶ涼しかった。
マシンとはピッチングマシンの事で,うちの学校にはカーブのとストレートのと2台があるのだが

なかなか重たいもので,反対側のグランドの隅っこ(ソフト部側)の倉庫まで押して行くのは相当面倒だった。

「じゃあ,ジャンケンな。」

その横で先輩たちはジャグジーの冷えた麦茶を飲んでいる。

10リットルは入る大きなジャグジー。
よくスポーツ少年団とかで保護者会が用意するような蛇口のついたタンクだ。


それを用意したマネージャーは,先程もってきた封筒の束を1枚ずつ確認していた。


「木奈って絶対最初にチョキ出すよね。」


……。


僕と阿村が負けて,
マシンを片付け始めた。

頑固な車輪がなんとか回りはじめて,ギュルギュルとやけに響きながらグランドを縦断する。

阿村は身長174cm。
(たしか)


僕より10cmくらい背が高い。
ので。
なんだか楽そうに押しているような気がした。




1年生はジャグジーの麦茶が飲めない決まりがあった。よくは知らないが。

たぶん伝統だ。
水道水か持参したものを飲む。



「先輩,アクエリ冷えてますよ。」

例外があった。

差し入れでもらった箱買いのスポドリを,
マネージャーが部員に配る。

このときだけは1年生はジャグジーの中身を頂く。

…無論,スポドリはもらえない。


(あと捨てる寸前の麦茶も頂ける。
…それはジャグジーを洗う直前なので,無論,練習が終わった後だ。)


マシンを片付け終えると
1年生がジャグジーに群がっていた。

先輩たちはマネージャーからスポドリを受け取っている。


多少理不尽だが
たぶん伝統だ。



練習終了後。

先輩たちが先にあがっていったベンチで
マネージャーが氷を1年生に配った。

「先輩たちには内緒な。」

いたずらをしているような顔で彼女は笑った。

この季節
氷はなかなか貴重なものなのだ。


彼女は僕らと同年で
僕とは同じクラスだった。

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