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天使と悪魔と人間の醜い世界‐ある天使の話‐2

[373]  龍角  2007-11-24投稿
外に出た時、俺は家から無理やり引き摺り出された理由をようやく理解した。


家が、木が、車が、そして空が燃えている。


聞こえてくるのは人々の悲鳴と怒声、そして全てを破壊する爆発音だった。


俺達はトラックに乗り込んだ。


そこには大勢の天使と人間が、押し込められていた。

「こちら東Dブロック。
一般人は全てトラックに収容した。 これよりそちらに向かう。」


兵隊達は無線で忙しく連絡を取り合っていた。


「B、C地区は既に全滅した。
直ぐに出発するぞ!!」


「悪魔達め…何もかも目茶苦茶にしやがって…」


まだこの時点では俺は一体何が起こっているか判らなかった。





住宅街を進むにつれて、被害が極めて甚大な事に俺は気が付いた。


いや…甚大というより惨劇と言ったほうが良いかもしれない。


家々はガラスが破れ、壁が崩れ、そして全てが燃えていた。


まるで炎の悪魔が日常を全て破壊し、飲み込んでいる様に…


そしてトラックは住宅街を抜けて広い幹線道路へと出た。


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