カーディナル2
一体何人斬っただろう?
辺りには血なまぐさいにおいが充満し周りには何体もの死体が転がっている。
その中に男は立っていた。
バリアースとは教圏が異なる隣国ハデナ。お互いの宗教、領土をかけての戦はもう百年になろうとしている。
戦局はバリアースが優勢で戦の勝敗はまさに決しようとしていた。
ハデナは最後の砦ディゾル要塞に籠城し抵抗を続けている。教会は教会騎士を総動員し要塞を攻略しようとしていた。
「ここらで潮時かな」大剣をもった青年はこうつぶやき馬に乗って死体だらけの要塞の入り口を後にした。
彼の名はギリアム=ガゼル。
教会騎士第一師団の隊長である。
第一師団、別名「特攻隊」の主な役割はその名の通り奇襲や敵陣への少数突入といった危険な任務を担う教会騎士団の剣と呼ばれる少数精鋭の部隊である。
今回の任務はディゾル要塞入り口の確保である。
特攻隊はその任務を見事成功させ味方の陣へ帰還した。
「今回の任務も成功だなみんな良くやってくれた」
ギリアムは仲間たちに言った。
「何言ってるんですか!いつも隊長がほとんど一人でやっちまうんだよなぁ」
「全く一人で百人以上斬っちまうんだからたまんないぜ!」
「さすが百獣の王ですね!」
仲間たちは口々に喋りだす。
百獣の王というのはギリアムの二つ名である。
ハデナとの戦争でギリアムの活躍は目覚ましく特にラムド平原の戦いではハデナの先遣隊百人相手に一騎掛けで挑み見事勝利した。
それ以来誰がつけたかギリアムは百獣の王と呼ばれる伝説の兵士になっていた。
「全く毎度のことながら危なっかしい戦い方だ。作戦もまるでない。何より品性が感じられないな」
ギリアムの前に金髪の槍を持った頭のてっぺんから足の先まで貴族のような青年が現れ言い放った。
このころこのいけ好かない男と運命を共にするとはギリアムは全く思いもしなかった。
辺りには血なまぐさいにおいが充満し周りには何体もの死体が転がっている。
その中に男は立っていた。
バリアースとは教圏が異なる隣国ハデナ。お互いの宗教、領土をかけての戦はもう百年になろうとしている。
戦局はバリアースが優勢で戦の勝敗はまさに決しようとしていた。
ハデナは最後の砦ディゾル要塞に籠城し抵抗を続けている。教会は教会騎士を総動員し要塞を攻略しようとしていた。
「ここらで潮時かな」大剣をもった青年はこうつぶやき馬に乗って死体だらけの要塞の入り口を後にした。
彼の名はギリアム=ガゼル。
教会騎士第一師団の隊長である。
第一師団、別名「特攻隊」の主な役割はその名の通り奇襲や敵陣への少数突入といった危険な任務を担う教会騎士団の剣と呼ばれる少数精鋭の部隊である。
今回の任務はディゾル要塞入り口の確保である。
特攻隊はその任務を見事成功させ味方の陣へ帰還した。
「今回の任務も成功だなみんな良くやってくれた」
ギリアムは仲間たちに言った。
「何言ってるんですか!いつも隊長がほとんど一人でやっちまうんだよなぁ」
「全く一人で百人以上斬っちまうんだからたまんないぜ!」
「さすが百獣の王ですね!」
仲間たちは口々に喋りだす。
百獣の王というのはギリアムの二つ名である。
ハデナとの戦争でギリアムの活躍は目覚ましく特にラムド平原の戦いではハデナの先遣隊百人相手に一騎掛けで挑み見事勝利した。
それ以来誰がつけたかギリアムは百獣の王と呼ばれる伝説の兵士になっていた。
「全く毎度のことながら危なっかしい戦い方だ。作戦もまるでない。何より品性が感じられないな」
ギリアムの前に金髪の槍を持った頭のてっぺんから足の先まで貴族のような青年が現れ言い放った。
このころこのいけ好かない男と運命を共にするとはギリアムは全く思いもしなかった。
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