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「会いたい」が言えなくて‥?

[232]  ヒユロ  2007-11-25投稿
(‥‥なんなんだ‥‥‥コレ‥‥)

少しの間、頭が真っ白になっていた。

何が起こってるんだろう?

現実‥だよね‥?

一瞬わからなくなった。
私の回りだけ、まるで時間が止まったかの様だった。

でも時計はチクタクと音をたて、正確に時を刻んでいた。

もうすぐ2時になろうとしていた。

(‥‥女‥だよね‥?)
明らかな証拠を目の前にしながら
それでも私はまだ信じられないでいた。

仁くんに女の人がいるなんて‥

私は明細書を手にしたまま、ぼーっとそれを眺めていた。

現実を、まだ受け入れられないでいた。

どれくらいたっただろう‥?

私は見るのをやめ、明細書をクローゼットにしまった‥

そして部屋の電気を消し、彼の寝ているベットに戻った。

そこにはいつもと変わらない、仁くんの寝顔があった。

(嘘だ‥‥)

仁くんの腕にギュッとしがみついた。

頬をつたうあたたかな涙は、彼に届く頃にはもう冷たくなっていた。

その夜
涙は止まらなかった―\r

だけど‥
冷たい涙は
この日から
もう止まる事はなかった‥

平凡だけど、穏やかで、それなりに幸せだった
毎日‥

まさか
こんな未来が待っていたなんて

あの時の私は
夢にも思わなかった‥

―もう二度と
あんな恋は出来ない―

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