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夢負人?

[363]  朝顔  2007-11-27投稿

15歳の夏、中学最後の大会。悠斗が投手、田上が捕手だった。
ベスト3に入るのは確実だった。練習に練習を重ね実力は誰にも引けを取らないチームになっていた。
けれど大会前日。練習の帰りに、仲の良いメンバーでふざけてキャッチボールをしていた最中に事故は起きた。
体勢を崩し田上が投げたボールは空高く飛び、それを追いかけた悠斗はいつの間にか車道に出ていた。
右肩骨折。よくある話だ。もちろん大会になど出られるはずもなく、チームは準優勝という学校始まって以来の好成績をあげた。そこに悠斗はいなかった。
決まりかけていた推薦はなくなり、近くの高校を受験した。元々勉強が苦手な悠斗にとって野球だけが取り柄だったのに。
田上のせいじゃない。何度も泣きながら謝る田上に笑ってそう言った。
それから野球の道具は全て押入にしまった。いい機会だったのかもしれない。丁度その頃両親が正式に離婚し、行くはずだった高校は仕送りだけでは賄えなかったからだ。
泣き伏せる母親を放って自分だけ楽しい生活は送れないと野球とさよならしたのに、入学式の日、そこに田上の姿があった。
土壇場で推薦校を蹴り、悠斗を追ってきた。
謝らなければならないのはこっちの方だった。田上に気を遣わせ、彼の人生を狂わせてしまった。
それから田上は度々悠斗の体を気遣っている。それが悠斗には少し重くなっていた。

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