携帯小説!(PC版)

夢負人?

[361]  朝顔  2007-11-27投稿

主婦が行き交う商店街を右手に買い物袋、左肩に学生鞄をかけながら歩く悠斗。
少し前までは恥ずかしいと感じていたが、今では慣れてしまい顔馴染みもできた。
買い物中も田上は無事に家に着いたかどうか気になってしまい、危うくカレー粉ではなくシチューを買いそうになってしまった。
「あ……」
満ぱんに入った食料から転げ落ちたみかん。人に踏まれる前に拾おうとしたが、一歩手前で違う誰かに拾われた。
「ありがとうございます」
受け取ってから顔を見上げると、悠斗の顔がひきつった。
だらしのない肩にかかる長髪。黒いジャケットには食べこぼしたようなシミ。浮浪者と何ら変わらない風貌に、食料でもたかられやしないかと身構える。
「気にするな」
唯一の救いは比較的年齢が若く常識は持ち合わせていそうな所だった。
しかし男は何やらジャケットを漁ると、一枚の紙切れを差しだしてきた。
「俺の仕事」
紙を受け取り見ると、意外にもちゃんとした名刺だった。
「夢負人……?夢路尚人……」
「夢にお困りなら俺ってわけ」
任せろと言わんばかりの態度に悠斗は名刺を突き返し歩き出した。
「おいおい!どこの世界に名刺突き返す奴がいるんだよ!」
後ろをついてくる男に冷たい視線を浴びせた。
「いますよここに。どうせ宗教か何かでしょ?」
「宗教と一緒にされちゃ困るな。受け取った方が身の為だぞ」
「は?そんな怪しい事務所に依頼する事なんてありません。他をあたってください」
「そうか……」
今まで後ろでした足音が消え悠斗は振り返った。すると男は背を向け手を振っている。
「せいぜいお喋りなピエロに気をつけるこったな」
男はそれだけ言い残し、反対方向へ歩いて行ってしまった。

感想

感想はありません。

「 朝顔 」の携帯小説

ファンタジーの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス