トラベラー?
青年は時間局の審査室に通された。審査といっても空港の金属検査に毛が生えたようなものだ。金属探知機を通り、時間移動に体が耐えられるか、肉体分子計を両手で目一杯握るだけだ。時間移動のための審査なのにこんな簡単でいいのかと青年はお節介ながらも思った
(俺が時間犯罪でもしたらどうするつもりだ?)
青年は立ち会いの審査官に思いきって尋ねてみた。
「移動審査ってこんな簡単なんっすか?」
「えっ、簡単って…」
審査官は思いもよらない質問なのか、戸惑った様子だ。
「いやね、ほら、もしボクが時間犯罪者だったらどうするんですか?審査、あまりにも不用心すぎません?」
いつもならスラスラ説明できるのだろう。だがこの日は早朝当番で審査官も頭がまだ働いていない。返答に詰った様だ。きっと困った時の癖に違いない、何度も右手の人指し指でメガネの中心部に触れ、顔に押し付けた。
「いや、そのぉ…、」
それほど、興味をひいたことでもない。青年の好奇心も失せてきた。
(朝からしょうもない質問をしちまったな)
「まぁでもきっとちゃんとしてるんでしょ。審査、これで終わりてすよね。問題もなしですよね?もう部屋出てもいいっすよね?」
審査官的にはプロフェッショナル完遂のためには答えるべきだっただろう。でも、この日はすでに旅行代理店からの事前申告により、彼には後三人の審査がこの朝は決まっていた。仕方ない、この場はこの男のペースでやり過ごそう。彼は決めた。
「はい、結構です。それではこの移動許可書を首に掛けて、代理店の支持に従って下さい。お疲れ様でした。」笑ってごまかしたと言われるかもしれない。そらぐらい、評に困る笑顔で審査官は彼に許可書を渡し、対応を終えた。
続く
(俺が時間犯罪でもしたらどうするつもりだ?)
青年は立ち会いの審査官に思いきって尋ねてみた。
「移動審査ってこんな簡単なんっすか?」
「えっ、簡単って…」
審査官は思いもよらない質問なのか、戸惑った様子だ。
「いやね、ほら、もしボクが時間犯罪者だったらどうするんですか?審査、あまりにも不用心すぎません?」
いつもならスラスラ説明できるのだろう。だがこの日は早朝当番で審査官も頭がまだ働いていない。返答に詰った様だ。きっと困った時の癖に違いない、何度も右手の人指し指でメガネの中心部に触れ、顔に押し付けた。
「いや、そのぉ…、」
それほど、興味をひいたことでもない。青年の好奇心も失せてきた。
(朝からしょうもない質問をしちまったな)
「まぁでもきっとちゃんとしてるんでしょ。審査、これで終わりてすよね。問題もなしですよね?もう部屋出てもいいっすよね?」
審査官的にはプロフェッショナル完遂のためには答えるべきだっただろう。でも、この日はすでに旅行代理店からの事前申告により、彼には後三人の審査がこの朝は決まっていた。仕方ない、この場はこの男のペースでやり過ごそう。彼は決めた。
「はい、結構です。それではこの移動許可書を首に掛けて、代理店の支持に従って下さい。お疲れ様でした。」笑ってごまかしたと言われるかもしれない。そらぐらい、評に困る笑顔で審査官は彼に許可書を渡し、対応を終えた。
続く
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