『お前はいい奴だな』
とか
『お前は出来た奴だな』
とか言われる度に気を張って生きて来た

あなたに良く思われたくて嫌われたくなくて完璧な女を演じて来た

あなたが楽しい時は一緒に笑ったし
あなたが辛い時には気が済むまで話を聞いてあげた
どんな時でも側にいたし
私の我が儘なんてぶつけなかったし私なりに尽くして来た

あなたにいつかは愛されたかった
愛されると信じて来たから無理をしてでも完璧を装った

なのにあなたが選んだのはどうしようもないくらい我が儘な女の子で
頼りなく守ってあげたくなるような女の子
落ち着きもなくてすぐに他の人に目移りしてしまうんじゃないかといつも不安でいなければならないようなタイプ

どんな子を選んでもあなたが選んだならと思って無理して喜んだ
『アイツもお前みたいな女だったらな』ってあなたが呆れながら
それでもどこか嬉しそうに照れ臭そうに笑うから
『だったら私を選んでよ』って初めての我が儘を言いそうになる
でも今私がそんな風に言えばあなたは驚くだろうし何一つ反抗しなかった私を悲しそうな目で見るかもしれない
それに崩したくはない
あなたの中で作り上げられて来た私を

あなたが褒めてくれた完璧な私を

苦しい
全てを崩してしまえば楽になれるのに
張り詰めた心の糸が切れそうになる

ただ愛されたかった
その為に自分を押し殺して頑張って来たのに

選ばれない虚しさ
それでもあなたの前であなたの幸せを祝福してあげている嘘の自分がたまらなく可哀相に思えてくる

『やっぱりお前は最高の友達だよ』

違う生き方をすれば良かった
こんなにあなたの言葉が胸に痛く突き刺さるのならば
始めから本当の私を見てもらえば良かった

本当は弱い私を
頼りない私を

甘えたかったし守られたかった

もしも選ばれるなら
どうしようもないくらい
我が儘な女でいれば良かった

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