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哀聖夜・壱

[325]  宝島ヤン  2007-11-29投稿
真っ赤なお鼻の〜♪

何も予定がなくても。心弾む夜がある。
クリスマスイヴ…恋人達が愛を深める夜。子供達が一番朝を迎える事が待ち遠しい夜。

そんな美しく温かい夜が今年もやってきた。


そんな。あと数時間でクリスマスになるという時間帯に私は一人、自分のアパートの玄関前にいた。「鍵がない…」私は一人呟いた。
こんな聖なる夜も。もうすぐ40才になるこの負け犬女のわたしには何の縁もなく。会社の残業を終え。一人寂しくクリスマスケーキ片手に帰ってきた私を。深い闇へと落とした。
「何でないん…」
どこかで落としたのか。
私には鍵の行方など分かるはずもなく。何度も何度もバックの中を漁っていた。
一通り漁った後。私は帰り道で落としたのだろうかと。いまやっと帰って来た道を引き返し始めた。たしかに会社をでたときにはポケットにあった鍵を確認している。
イルミネーション輝く街の中。下ばかりを見ながら急ぎ足でキョロキョロしながらあるく私はその美しい聖なる夜にはさぞかし浮いていることだろう。

「どうしたんですか?」
急に後ろから男の人の声がした。
真打ち登場か!
きっと何かを探している私をみた。それを見過ごす事の出来ない優しい男性が声をかけてくれたのだ。
これは恋に発達するチャンス!
鍵の事など一瞬でわすれ。わたしは期待に胸が踊っていた。あとがない負け犬女はこんな時でも貪欲なのだ。
サンタサン。一足はやいクリスマスプレゼントをありがとう!

そんな事を考えながら私は笑顔になりそうになるのを我慢しそっと声がするほうへ振り返った。[続く…]

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