最後の恋
空港で最後の別れ
笑って見送ろうと決めていた
『頑張ってね』って未練を残さないように手を振ろうと決めていた
恋人にはなれなかった
出会った時からいつかは旅立って行く事も知っていた
だけど好きにならずにはいられなかった
どんなに周りに止められようと反対されようと歯止めが効かない
『近くにいる人がいいよ』とか『遠距離は無理だよ』とか皆が言うけれど私は好きだった
だから手を引いて何処へでも連れて行って欲しかった
『俺は遠くに行くからこっちでは彼女は作らない』
『好きになった人がいてもその娘が可哀相だ』
いつも彼は言っていた
その言葉を聞く度
『それでも着いて行きたいと思う馬鹿な女が此処にいるんだよ』と言いたくて仕方がなかった
遠回しに『俺が好きな人はお前じゃないんだ』と言われているようで気持ちが怯んだ
それならせめていい友達として彼を明るい未来へ見送ろうと決めた
彼が旅立つ時間が近づく
心拍数が上がる
何度も泣きそうになる
『笑え』
そう脳に指令を送っても体がなかなか言うことを聞かない
『そろそろ行くよ。お前も幸せになれよ』って明るく言い放って肩を叩かれた
あまりにも強く叩くから涙目になる
『もしかしてお前寂しくて泣いてんの?』
『違うよ、力が強いから肩が痛いんだよ。』
無理して隠した
本当はそんなんじゃなかった
寂しくて引き止めたくて仕方がなくて
言いたくもない言ってはいけない『行かないで』を飲み込むのがやっとだった
じゃあねと彼が手を振って最後の笑顔を見せた
思い出す
『次好きになる人は最後の恋人にしたい』
彼がそう言っていた事を
思えばその時から私は彼に恋をしていた
私が最後の恋人でありたいと
私をその人に選んで欲しいと
そう願ってきた
叶わぬ恋でも私は自信を持って言えた
これが私の最後の恋
笑えなかった
『頑張ってね』さえも言えなかった
ただ黙って立ち尽くしていた
あの時から涙腺が緩んでしまった
肩に残る彼の手の感触
それだけを残して彼の足音が遠ざかる
彼が振り返ったのかも手を振っていたのかも分からない
溢れる涙で何も見えない
苦しい
お願い
誰か彼を止めて
笑って見送ろうと決めていた
『頑張ってね』って未練を残さないように手を振ろうと決めていた
恋人にはなれなかった
出会った時からいつかは旅立って行く事も知っていた
だけど好きにならずにはいられなかった
どんなに周りに止められようと反対されようと歯止めが効かない
『近くにいる人がいいよ』とか『遠距離は無理だよ』とか皆が言うけれど私は好きだった
だから手を引いて何処へでも連れて行って欲しかった
『俺は遠くに行くからこっちでは彼女は作らない』
『好きになった人がいてもその娘が可哀相だ』
いつも彼は言っていた
その言葉を聞く度
『それでも着いて行きたいと思う馬鹿な女が此処にいるんだよ』と言いたくて仕方がなかった
遠回しに『俺が好きな人はお前じゃないんだ』と言われているようで気持ちが怯んだ
それならせめていい友達として彼を明るい未来へ見送ろうと決めた
彼が旅立つ時間が近づく
心拍数が上がる
何度も泣きそうになる
『笑え』
そう脳に指令を送っても体がなかなか言うことを聞かない
『そろそろ行くよ。お前も幸せになれよ』って明るく言い放って肩を叩かれた
あまりにも強く叩くから涙目になる
『もしかしてお前寂しくて泣いてんの?』
『違うよ、力が強いから肩が痛いんだよ。』
無理して隠した
本当はそんなんじゃなかった
寂しくて引き止めたくて仕方がなくて
言いたくもない言ってはいけない『行かないで』を飲み込むのがやっとだった
じゃあねと彼が手を振って最後の笑顔を見せた
思い出す
『次好きになる人は最後の恋人にしたい』
彼がそう言っていた事を
思えばその時から私は彼に恋をしていた
私が最後の恋人でありたいと
私をその人に選んで欲しいと
そう願ってきた
叶わぬ恋でも私は自信を持って言えた
これが私の最後の恋
笑えなかった
『頑張ってね』さえも言えなかった
ただ黙って立ち尽くしていた
あの時から涙腺が緩んでしまった
肩に残る彼の手の感触
それだけを残して彼の足音が遠ざかる
彼が振り返ったのかも手を振っていたのかも分からない
溢れる涙で何も見えない
苦しい
お願い
誰か彼を止めて
感想
感想はありません。