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甘いワナ?

[231]  夢月  2007-11-30投稿
彼女とはデートも何回もした。

遊園地、映画館、動物園…いろいろなデートスポットに行った。

彼女はどこへ行くのも恥ずかしそうにしながらも、嬉しげな笑みを浮かべて付いてきてくれた。


彼女は話上手ではないけれども、聞き上手だった。

俺の話を熱心に聞き、軽い冗談を言えばクスっと笑ってくれる。

彼女はただ話を聞いているだけではなく、時折、的確な質問をしてきた。

彼女はとても理知的で、話し手を満足させた。


また、彼女はいつも俺といることを考えてくれていた。

放課後、俺が部活があって一緒に帰れないと言った時も彼女は

「私も用事があって遅くなるから一緒に帰ろう。」

と言って誘った。

“用事なんて彼女にないだろうに”

そう思いながらも、彼女の気持ちを思えば何も言えなかった。



クリスマスも間近に迫ったある日。


俺は部活が終わると、すぐに彼女のもとへ急いでいた。

彼女は図書室にいた。

窓際のイスに腰掛け、外を眺めている。

その様子は、夕日が彼女へ後光のように照らしていて美しく、言葉を忘れて彼女に見惚れてしまった。


“…はぁ”


ふいに、彼女の唇から溜め息が漏れたのが聞こえた。
そして、彼女の顔が悲しげな表情に彩られていることに気付く。

彼女はグランドにいるサッカー部の男子を見つめていた。

おそらく、俺がいるのに気付いていないのだろう。


「…弘人くんと別れたほうがいいのかな」


彼女が誰ともなく呟いた言葉に頭が真っ白になった。

ワカレル?ダレト?


彼女の言葉が理解できない。

仮に頭が理解しても、“心”が拒絶した。


ナゼ?ドウシテ?


俺はそのまま立っていることができなくて、その場を後にした。


俺の心は暗闇の嵐のように荒れ狂っていた。

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