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一つの傘〜僕らの奇跡〜

[150]  ふく  2007-12-01投稿
雨が降る
傘を持たなかった僕は雨を見ながらただ呆然としていた
『入る?』
横には小さな女の子
同じ高校の隣のクラスの女の子
彼女が頬を赤く染めて恥ずかしそうに傘を差し出している
『ありがとう』
そう言って傘を取った
触れた手があまりにも小さくて冷たくて彼女を愛おしく思った

本当は知っていた
僕は彼女が好きだった
前に一度彼女と言葉を交わしたことがある
教科書を忘れた僕は隣のクラスの窓際の席の彼女に声をかけた
『教科書貸して』
『ごめん、持ってない』
そっけない会話だったけど彼女の残念そうに言う優しい顔に恋をした

君は忘れていたようだね
付き合いが始まってあの日の恋の始まりを二人で思い出しては懐かしく語り合った
『あの時初めて話したよね』と君は言うけど僕は初めて交わした言葉を鮮明に覚えていた

君を好きだったから
傘を差し出してくれた時すごく嬉しかったんだ

あの日
天気予報を見なかったこと
雨だったこと
あの時間に君があそこにいたこと
僕が雨が止むのを待っていたこと
君が勇気を出して声をかけてくれたこと
色んな偶然が重なって二人の奇跡は始まった

君が『私は家近いからこれ持って帰って』と手渡してくれた傘を
今でも僕は大切に持っているよ
ずっと秘密にしていた
だから雨の日はこの傘を持って出るんだ

彼女と出会える日を夢見ている

あの日のように雨が降り続いて
彼女が傘を持っていなくて
彼女が何処かで雨宿りをしていて
そんな偶然がまた来るなら
次は僕がこの傘を差し出すんだ
彼女が笑って『ありがとう』って僕を見上げてくれたらまたそこから二人の奇跡が始まる

今でも好きだよ

君のあの時の優しさが僕に勇気をくれた

離れてもいつも君を忘れない

君のあの時の勇気が僕に幸せをくれた

何度も言いたかった


ありがとう

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