年下の彼〜雪の中〜
「あぁ…朝からついてない。」
今日は朝から雪が降っている。
私は雪が嫌いだった。
今まで雪が降った日にいい事がなかったからだ。もう私も32歳になる。負け犬組のなかにいた。
毎日、会社と家の往復。彼氏がいる訳でもなし。
「このままずっと一人なのかな…。」
最近よく思う事だった。「今日、残業頼むよ。」上司からの言葉だった。「何でこんな日に残業なんてホントついてない。」
疲れ切った私は、早く帰る為、雪の降る中、足を急がせた。
ドンッ。
「すみません。大丈夫ですか?」
「はい。こっちこそすみません。」
帰る事しかなく雪の中を急いでいた私は人にぶつかってしまった。
ふと顔と見上げると2年前に好きだった年下の彼がいた。
お互い顔を見合わせたまま少しの沈黙が続いて、「久し振り。元気だった?」
最初に言葉にしたのは私からだった。
「ホント偶然だね。ビックリしたよ。」
ずっと忘れることが出来なかった。あの時、何があった訳でもない。
私の前にいる彼はもう大人になっていた…。
「どう?彼氏は出来た?」
「そんなのいないよ。相変わらず仕事一筋!なんてね。」本当は、
―あの時ずっと待ってたんだよ―\r
私は言いたかった。
彼は少し沈んだ顔をして「俺、2年前に付き合っていた彼女と別れたんだ。3歳年上で結婚してたんだよ。そして本気で付き合っていた訳じゃないって言われて別れた。」それ以上の事は聞くことは出来なかった。
「そうだったんだ。」
しばらくその場に立ちすくしてしまった。
「まぁ色々あったけど元気出して頑張ってよ。」本当は忘れられなかった。もう一度告白してもいい?
言いたくてたまらなかった。
けど、素直に言えなかった私…。
「じゃあまたね。」
私から言ってしまった。「じゃあ。」
彼も何か言いたそうな顔をしていたけど、そう言って私達はわかれた。
数日後、街で偶然彼と逢った。
―こんな偶然ってある?本当にこのままでいいの?彼の事諦め切れなかったんじゃない―\r
私は思い切って彼に自分の気持ちをぶつける事にした。
「ずっと忘れること出来なかった。」
つづく
今日は朝から雪が降っている。
私は雪が嫌いだった。
今まで雪が降った日にいい事がなかったからだ。もう私も32歳になる。負け犬組のなかにいた。
毎日、会社と家の往復。彼氏がいる訳でもなし。
「このままずっと一人なのかな…。」
最近よく思う事だった。「今日、残業頼むよ。」上司からの言葉だった。「何でこんな日に残業なんてホントついてない。」
疲れ切った私は、早く帰る為、雪の降る中、足を急がせた。
ドンッ。
「すみません。大丈夫ですか?」
「はい。こっちこそすみません。」
帰る事しかなく雪の中を急いでいた私は人にぶつかってしまった。
ふと顔と見上げると2年前に好きだった年下の彼がいた。
お互い顔を見合わせたまま少しの沈黙が続いて、「久し振り。元気だった?」
最初に言葉にしたのは私からだった。
「ホント偶然だね。ビックリしたよ。」
ずっと忘れることが出来なかった。あの時、何があった訳でもない。
私の前にいる彼はもう大人になっていた…。
「どう?彼氏は出来た?」
「そんなのいないよ。相変わらず仕事一筋!なんてね。」本当は、
―あの時ずっと待ってたんだよ―\r
私は言いたかった。
彼は少し沈んだ顔をして「俺、2年前に付き合っていた彼女と別れたんだ。3歳年上で結婚してたんだよ。そして本気で付き合っていた訳じゃないって言われて別れた。」それ以上の事は聞くことは出来なかった。
「そうだったんだ。」
しばらくその場に立ちすくしてしまった。
「まぁ色々あったけど元気出して頑張ってよ。」本当は忘れられなかった。もう一度告白してもいい?
言いたくてたまらなかった。
けど、素直に言えなかった私…。
「じゃあまたね。」
私から言ってしまった。「じゃあ。」
彼も何か言いたそうな顔をしていたけど、そう言って私達はわかれた。
数日後、街で偶然彼と逢った。
―こんな偶然ってある?本当にこのままでいいの?彼の事諦め切れなかったんじゃない―\r
私は思い切って彼に自分の気持ちをぶつける事にした。
「ずっと忘れること出来なかった。」
つづく
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