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現代戦国時代〜山本勘助編〜

[408]  睦月  2007-12-02投稿
「んでも、それだけじゃない気がする…。」
生々しい、あの感情。今さっき、自分が受けたかのようなあの感動、あの忠誠。そして、強い憧れにも、焦燥感にも似たなんとも言えない気持ち。夢にしてはリアルすぎる。
ぼんやりしだしたゆかりに「ゆかちゃん、最近レポートで忙しいって言ってたじゃないか。…ちょっと疲れてるんだよ」
そう、叔父の尚孝は苦笑した。 
そうかなぁ、と呟くと、ゆかりはかぶの浅漬けをひとくち齧った。
今日も程よく漬かっているおいしい漬物の味も、なんとなく遠くに感じた。


―暗闇から少年の声がした
くすくす。 
 ふふふふ。
あやつがいたよ。 
 ほんにのう、あにじゃ。…あれまぁ女だよ弟。
 ほんに、おんなじゃ。
女に生まれ変わったか。  おんなじゃ、おんな。
ふふ。ふふ。どう転ぶ?
 あやつがおんな。どうす るじゃろて?
甲斐の武田はどうするか。 たのしみじゃ。 
ほんにの。 
 ふふ、ふふふふふ。
くす、くすくすくす。

―暗闇に、ふたりの笑い声だけが、後をひくように残った。

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