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戦国異聞〜鬼と竜〜

[329]  オケピ  2007-12-03投稿
払暁の深い霧の中、男は単騎馬を進める。

眉目秀麗な顔立
羅紗の軍服に愛刀を二本差し、前だけを見つめる。

男は、自軍の最後の一人となっていた。
だが、それは、男の望んだ事であり、むしろ快感すら感じていた

男の目指す先は函館市街。そこは男が自ら選んだ死場所である。

『まて』

声がした。距離は前方五間程であろうか。

ほう。と、男は眉を寄せた。どうやらここらあたりが死場所の様だ。

『貴様、何処へ行く』

また声がした。

『解りきった事。本陣に切り込みに行くだけさ』
男は涼しげな声で応えた。世が世なら、役者になれそうな声だ。

『貴様、何者だ』

『俺か?俺の名は…』

銃声がこだました。男の身体を数発の弾丸が貫いた。

男は、前のめりに倒れ、動かなくなった。





隻眼の男がいた。男の前には、目に染みるような白い砂浜と、透ける様な青い海が広がっていた。
隻眼の男は草を一本口にくわえ、その海を眺めていた。だが、隻眼の男が本当に見ているものはもっと途方もないものだった。

『けっ』

隻眼の男は踵を返し、歩きだそうとした。
その片方しかない炎のような瞳に、砂浜に倒れている人影が映った。

『ほう』

隻眼の男は、倒れている人影に近付いていった。
『なんだ?こいつは』

倒れている人影は、羅紗の軍服に身を包み、腰には刀が二本差さっている。

『見慣れねえ格好だな。異国人か?』

隻眼の男は、倒れている人影を蹴飛ばしてみた。
『なんだ。死人かよ』

と、後ろを振り向いた瞬間、足首に、軽い衝撃を感じた。

『なんだ、生きてやがったのか』

これが二人の男の運命的な出会いだった。

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