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恋の穴

[112]  ミクロン  2007-12-04投稿
『はじめまして。小山ひろしです。』


淡々と挨拶をする人だなぁと思った。


『山下ゆきです。お願いします。』あたしは笑顔で挨拶した。


11月の寒い季節にあなたはやってきた。飲食店でのバイト。あたしはフリーター。そんな普通の出会いだった。特に小山くんとは話すこともなかった。




あたしには好きな人がいた。林くん。タメってこともあって。気があって優しくて、一緒にいると楽しくて、大好きだった。でも林くんには彼女という越えられない壁があったんだ。好きより切なくて。どうしょもない気持ちで2年想ってた。




そんな気持ちに耐えられなくて、ある日想いを告げた。あっさり振られた。泣いた。これでもかというほど。




泣き崩れて友達に連絡した。みんなに繋がらず。何故か小山くんに連絡した。誰でもよかった。一人でいられなかった。

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