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ポストマン 弐

[565]  COCORO  2007-12-05投稿
安岡が青年に、聞こうか聞くまいか迷っていたために少し沈黙が生まれたが、やがて安岡は切り出した。

「よかったら…辞めた理由…聞かせてくれないかな。」

「いいですけど…たぶん信じませんよ。」

「信じるか信じないかは、聞いてから決める…うむ。」

「フフ…わかりました。」

明るく振る舞おうとする安岡に、根負けして青年は語り始めた。


青年の話によるところ

青年は、隣町の人々に随分と可愛いがられていて、人気者の郵便配達員だった。
なかでも、町の外れの一軒家に一人で住む、もうすぐ初老に手が届く小柄な女性は、青年を心待ちにして可愛いがっていた。
青年も女性を母の様に慕っていた。

この日も青年は、町なかの配達を夕方までに急いで終えて、女性の家に向かった。
女性はいつも、背の低い垣根のある小さな門の内側で、青年を待ち侘びていた。
女性の家には、決まって一日おきにハガキが来ていた。
しかし青年は気にも留めなかった。
三つ先の町に嫁いだ娘さんがいると聞いていたので、その娘さんが母親を気遣かっているのだと。
携帯の普及しているご時世で、なんて粋で親孝行なんだと、勝手に想像し、勝手に感心していた。

ハガキを手渡すと、女性は優しく青年を迎入れた。

「今日は大福しか無くて…ごめんなさい。」

「いえ!…大好物です!」

青年はいつもの様に明るく返す。
女性の上品な物言いが心地よかった。

一時間程、たわいのない話をして女性の家を後にした。
しかし次の日から青年は、風邪をこじらせて寝込んでしまい、仕事に復帰したのは三日ほど経ってからだった。

仕事仲間から、女性が自分のことを心配していると伝え聞いていたので
朝一番に女性の家に向かった。
偶然にも女性は、門の内側まで出て来ていた。

「あら…今日は随分お早いですね。」

「はい…これ以上心配をおかけして、お体を悪くされてわと…飛んで来ました。」

「まあ…心配なんてしてませんよ…でも、お元気 そうで…よかったわ。」

嬉しそうに微笑むその笑顔に、少し生気が無いような気がして、青年は心配した。
女性は今から出掛けるというので、病院に寄ることを薦めて青年は仕事にもどった。

翌日、珍しく二日続けて女性の家に行くことになった。

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