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多重恋愛20

[215]  2007-12-06投稿
「よほど素敵な方だったんですね」

おしぼりを差し出しながら聞いた。

「…」

?どうしたのかな?

「えぇ、とても愛していました」



…は?( ̄▽ ̄;)

「えっとぉ…どういう意味かな…」

かなり間抜けな表情の私が聞いた

「彼とは、世間で言う不倫の関係でした。でも、彼は、けして家族をないがしろにせず、奥様も、私も愛してくれました。家族は、家族。君も君。悪いのは私だ。どちらも泣かせたくない。愛している。彼の口癖でした」




だまっている私に、ちらっと目をむけて、彼女は話を続けた


「奥様は、わたしをご存知ではありません。最後まで秘密を隠し、ご主人としてのつとめを果たされました。」


「私には、最後にメールをくれました。『愛しているよ。楽しかった。これからは、前を見て生きてくれ、人生をおえても愛してくれるなら、必ず迎えにいくよ』と。彼は亡くなる時に、携帯をあやまって壊してしまったそうです。たぶん、奥様に見つからないように…」

そこまで言うと彼女は、コーヒーを一口飲んだ。

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