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何不自由ない時代 14

[456]  シンヤ・G  2007-12-06投稿
この時代は何らかの理由で人々は国を支えるような労働をしなくなったようだ。だから昼間から酒を飲んでも許されるのだろう。何とも素晴らしい時代だ。皆がローマ帝国の貴族だな。もしかするとここはあの世なのかも知れないと思ったが、それは完全な妄想だ。僕は確かに現実を生きている。
僕も昼間から酒を飲んでみるか。洒落た居酒屋に入り、一名である事を告げると空席へ案内された。
椅子が二つしか無い。まさに僕みたいな客用の席だ。
お冷やが運ばれてきて、御注文はそちらのタッチパネルからお願いしますと言って店員は下がって行った。
タッチパネルでメニューを見てみる。膨大な種類だ。ずっと日の目を見ないメニューも有るのではないか?
オーソドックスに焼き鳥のセットとサラダと麦焼酎のロックを注文した。
三分ほどで注文の品がやってきた。アンドロイドが持ってくるのかと思ったら人の店員が持ってきた。
ツクネを食べてみたが、これが異常に美味しく感じた。500年間、舌が味に飢えていたのだろうか。頬や耳の下らへんに有るリンパ節が痛むほど美味い。全身に電流が走る。
生きている事を実感した一瞬だった。

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