ツイン スカル 03
家に帰り着いたアレンは、風呂の準備をし、寝床と夜着の用意をして自室に下がり窓際に椅子を置いた。
この数カ月、月明かりで本を読むのが日課になっていた。海や船について書かれた物がほとんどで、ローグとの会話に役立つ事も有るかと読み出したのであった。しかし、今ではアレン自身の興味の対象としての意味の方が大きくなっていた。そして、近い将来に必要と成る筈の知識でもあった。
今読んでいるのも「帆船の操舵と海賊の航海術」という本だ。
三十分ほどして、玄関の扉が開かれる気配に、アレンは顔を上げて立ち上がった。ローグが戻ったのだろう。
テオの店を出たローグは、先に帰るようにアレンに言うと、海へと続く闇に消えて行った。
月の綺麗な晩にはよく有る事だった。
「お帰りなさい兄貴、風呂沸いてますよ」迎えに出たアレンはローグに言った。
「その前に話しが有るんだ。錬武場に行こう」アレンを促して、ローグは地下へ降りる階段を下って行く。
この家の地下は、小さいながら錬武場になっており、壁には木でできた様々な武器が掛かっていて、実戦さながらの訓練が出来るようになっていた。
中には、見た事も無いような変わった形をした剣や、鏃の無い弓矢などまでがあった。
壁際の椅子に座り、ローグは口を開いた。相変わらず顔の表情は動かない。
アレンは興奮を隠せない様子で、大袈裟に相槌を打ったり、質問したりしていた。
二人がそれぞれの床に就く頃には、白々夜が明けかけていた。
この数カ月、月明かりで本を読むのが日課になっていた。海や船について書かれた物がほとんどで、ローグとの会話に役立つ事も有るかと読み出したのであった。しかし、今ではアレン自身の興味の対象としての意味の方が大きくなっていた。そして、近い将来に必要と成る筈の知識でもあった。
今読んでいるのも「帆船の操舵と海賊の航海術」という本だ。
三十分ほどして、玄関の扉が開かれる気配に、アレンは顔を上げて立ち上がった。ローグが戻ったのだろう。
テオの店を出たローグは、先に帰るようにアレンに言うと、海へと続く闇に消えて行った。
月の綺麗な晩にはよく有る事だった。
「お帰りなさい兄貴、風呂沸いてますよ」迎えに出たアレンはローグに言った。
「その前に話しが有るんだ。錬武場に行こう」アレンを促して、ローグは地下へ降りる階段を下って行く。
この家の地下は、小さいながら錬武場になっており、壁には木でできた様々な武器が掛かっていて、実戦さながらの訓練が出来るようになっていた。
中には、見た事も無いような変わった形をした剣や、鏃の無い弓矢などまでがあった。
壁際の椅子に座り、ローグは口を開いた。相変わらず顔の表情は動かない。
アレンは興奮を隠せない様子で、大袈裟に相槌を打ったり、質問したりしていた。
二人がそれぞれの床に就く頃には、白々夜が明けかけていた。
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