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タロベエとジロベエ(第3章)

[462]  ポロンチョ牡丹  2007-12-11投稿
「へ?」

「だから今年で15やっちゅうとんねん。」

「へぇー!!そんなに!!へぇーもうそんな歳ですか。」

「白々しいなお前は。ワシと同い年やろ。」

「あ!そうでした。」

「阿呆。」

「それにしても、あたしら歳とんの他の人に比べて速くないですか?
最近は目が見えにくいし、すぐ息切れするし…、歩いてたら棒に当たるわで。。ほんまに、もうそろそろなんでしょうかねぇ…。」

「それがイカンのじゃそれが!!弱音を吐くな!!
ワシだってなぁ、大分カラダにガタはきてるけど、この家の平和を守るのが仕事や思て、こうして毎日、ご主人様の帰りを待っとるんやないか!。」

「…あんさんね。」

「なんじゃい。」

「あんさんね…、もうやめときなはれ。そう言うて半年ですよ半年。
あんさんのご主人様、半年もこの家ほったらかしたまま、誰も帰ってきませんがな。
その間のエサも水もみ〜んな、うちのご主人様がかわいそうや言うて持って来てくれるから、あんさんこうして居られてるんでしょ…?
もうアカンアカン、そろそろあきらめなはれ、あきらめて家おいで〜な。」

「そ、それを言うなぁ…。あきらめられるかクソあほんだらぁ。。
お前雑種やろ?ワシは日本犬じゃい!。
ここであきらめたら!日本犬がすたるわい。ワシは死ぬまで、この家にいるんじゃ、今さら出て行けるか!。」

といった具合で、口が悪くてへそ曲がり、その上なかなかの頑固者でして…、いつかご主人様が帰ってくる!と信じて待っているのですが、もう約半年も経っているわけですなぁ。
ジロベエはずっと待っている。心配なタロベエは、毎日こうして会いにくる。
かわいそうでせつない話です。
きっと引っ越しやなんかで連れて行かれないとか、人間の勝手に振り回されて、ジロベエは庭に繋がれたまま置き去りにされたんでしょうなぁ…

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