純・不倫
12月に入って、街はクリスマス色に輝きだした。一年を通して これほどロマンチックな…感傷的な…独特な気持ちになる時期もないだろう。
例えば、恋人がいなければ、欲しくてたまらなくなるし、恋人がいるなら、より愛を深めたいと思う。
例えば、結婚をして家族がいても、誰かとロマンチックに過ごしてみたい。
そう思うのは、幸せな結婚をしてないからなのか…?
「ラストクリスマス」が流れる喫茶店で、里桜と篤は、お茶を飲んでいた。
里桜はコーヒーを注文して言った。
「クリスマスツリー、キレイやったね。あたし、あんな大きなクリスマスツリー見たのはじめて。」
「大げさやな(笑)。USJにあるのは、もっと大きいで。」
さっき2人で見た、大型ショッピングモールの吹き抜け部分に、飾られた大きなツリーに、目をキラキラさせて、話す里桜。
「この歳になって…それなりに恋愛して…結婚をして…子供を産んで…もう経験しつくした感じやん?」
「百戦錬磨の熟女やな?」
冗談ぽく冷やかす篤を、里桜は膨れた顔で一瞬睨んでから、そしてコーヒーカップを両手で包み込んで一口飲み、言った。
「だから、篤との初めてがうれしい。ツリーを見たとか…どんな小さい事でも、うれしいの。」
篤は、里桜を抱きしめたいと思った。
胸の奥に、ツーンと泣きたいような切ない何かが押し寄せる。
喫茶店には、平日の昼間だけど、カップルがたくさんいた。
篤と里桜も、その中に溶け込んでいた。
オシャレなカップルだった。
里桜は特別美人ではないが、人目を引くタイプだし、篤も少しやんちゃな少年ぽさを残していて、モテるであろうタイプ。
2人はお似合いのカップル。
ただ、
ただひとつ。
篤と里桜は、お互いに結婚していて、篤には嫁が里桜には夫がいた。
世間一般で「W不倫」と言われる関係だった。
例えば、恋人がいなければ、欲しくてたまらなくなるし、恋人がいるなら、より愛を深めたいと思う。
例えば、結婚をして家族がいても、誰かとロマンチックに過ごしてみたい。
そう思うのは、幸せな結婚をしてないからなのか…?
「ラストクリスマス」が流れる喫茶店で、里桜と篤は、お茶を飲んでいた。
里桜はコーヒーを注文して言った。
「クリスマスツリー、キレイやったね。あたし、あんな大きなクリスマスツリー見たのはじめて。」
「大げさやな(笑)。USJにあるのは、もっと大きいで。」
さっき2人で見た、大型ショッピングモールの吹き抜け部分に、飾られた大きなツリーに、目をキラキラさせて、話す里桜。
「この歳になって…それなりに恋愛して…結婚をして…子供を産んで…もう経験しつくした感じやん?」
「百戦錬磨の熟女やな?」
冗談ぽく冷やかす篤を、里桜は膨れた顔で一瞬睨んでから、そしてコーヒーカップを両手で包み込んで一口飲み、言った。
「だから、篤との初めてがうれしい。ツリーを見たとか…どんな小さい事でも、うれしいの。」
篤は、里桜を抱きしめたいと思った。
胸の奥に、ツーンと泣きたいような切ない何かが押し寄せる。
喫茶店には、平日の昼間だけど、カップルがたくさんいた。
篤と里桜も、その中に溶け込んでいた。
オシャレなカップルだった。
里桜は特別美人ではないが、人目を引くタイプだし、篤も少しやんちゃな少年ぽさを残していて、モテるであろうタイプ。
2人はお似合いのカップル。
ただ、
ただひとつ。
篤と里桜は、お互いに結婚していて、篤には嫁が里桜には夫がいた。
世間一般で「W不倫」と言われる関係だった。
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