ロジック 第1部 ?
…俺は暗い部屋に、独り転がっていた。特に何をするでもない。ただ、闇の中を見つめていた。手元のケータイが突然けたたましい叫びをあげ、電話だかメールだかの着信を告げるが、それにも応じない。
『…どうせ、マキじゃないんだから……』
…マキ……。それは、俺の最愛の彼女、だった。
* * *
ロジック 第1部
* * *
あれから、1年−。俺は桜咲く坂道を抜け、学校へ登校する。坂の先でいつも俺を出迎えてくれる校舎は、いつ崩れてもおかしくない、老朽した建物。この大学で勉強するのも、はや2年目になる。
『ありゃ、今日は来るの早いじゃねぇの。いつも遅刻スレスレなのに』
後ろから聞こえた声に振り向くと、そこには憎まれ口をたたいた奴がいた。
『そろそろ気持ちいれかえたんかいな?』
『うるせぇな、俺だってたまには早く着くっての!!つか、お前がいつも早く来すぎなんだよ、サク』
『そんなことないさ、俺は先を考えて行動してるだけよ。ハルが考えなさすぎんだって』
『ちぇっ…この理屈のカタマリめ……』
理屈のカタマリ、サクこと大島朔弥(オオシマ サクヤ)は、幼稚園時代からの幼なじみである。俺のたいていの事は知っている、一般で言う「親友」というやつであろう。憎まれ口も、長く付き合えば愛嬌である。
『直感だけじゃいつか痛い目みるぞ。…それよりハル、気になるウワサがあるんだが』
辺りの様子を気にするそぶりをみせながら、突然ヒソヒソ声になるサク。俺も思わずヒソヒソ声で返す。
『…どうせ、マキじゃないんだから……』
…マキ……。それは、俺の最愛の彼女、だった。
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ロジック 第1部
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あれから、1年−。俺は桜咲く坂道を抜け、学校へ登校する。坂の先でいつも俺を出迎えてくれる校舎は、いつ崩れてもおかしくない、老朽した建物。この大学で勉強するのも、はや2年目になる。
『ありゃ、今日は来るの早いじゃねぇの。いつも遅刻スレスレなのに』
後ろから聞こえた声に振り向くと、そこには憎まれ口をたたいた奴がいた。
『そろそろ気持ちいれかえたんかいな?』
『うるせぇな、俺だってたまには早く着くっての!!つか、お前がいつも早く来すぎなんだよ、サク』
『そんなことないさ、俺は先を考えて行動してるだけよ。ハルが考えなさすぎんだって』
『ちぇっ…この理屈のカタマリめ……』
理屈のカタマリ、サクこと大島朔弥(オオシマ サクヤ)は、幼稚園時代からの幼なじみである。俺のたいていの事は知っている、一般で言う「親友」というやつであろう。憎まれ口も、長く付き合えば愛嬌である。
『直感だけじゃいつか痛い目みるぞ。…それよりハル、気になるウワサがあるんだが』
辺りの様子を気にするそぶりをみせながら、突然ヒソヒソ声になるサク。俺も思わずヒソヒソ声で返す。
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