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甘いワナ?

[225]  夢月  2007-12-13投稿
彼は同じ学年の『谷澤 圭悟(たにさわ けいご)』くんだ。

ルックスが良くて、運動神経も良い。

性格は良く言えば、明るくて、社交的。

けれど、素行は良いとは言えなくて、悪い友達も多いし、女性関係で何度かトラブルを起こしていた。

また、サッカー部に入っていて、
キャプテンの杉(すぎ)くんに及ばないけれど、サッカー部でも一目置かれている存在だ。


女性関係で問題があってもルックスやスタイルは良いし、経験で磨かれた女性を扱う手練手管は女性を惹(ひ)き付けた。


もちろん、私は松田くん一筋で、彼に惹かれたことはない。

むしろ、彼の女性を見る目が、
何か別ものを見ているようですごく嫌なものを感じた。

根拠は何もないけれど、生理的、本能的に鳥肌が立った。



彼が声をかけてきたのは、松田くんのことを考えて気分が沈んでる時だった。

「放課後、図書室で待ってる。」

彼はそれだけ言うと行ってしまった。

別に彼の言葉どおりに行く義理も理由もなかった。

ただ、
あえて無視するのも感じが悪いし、松田くんを待つついでに用件を聞けば良いかとも思った。


それが、彼のワナだった。

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