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多重恋愛24

[276]  2007-12-14投稿
「話したくない?」

酔っぱらいはしつこく聞いてきた。

「…」

プツン。


電話を無言で切った。
そのあと何度か電話は叫んでいたが、枕の下にしまいこみ、布団に潜り込み眠った。


朝、確認すると、メールが一件。


『ごめんなさい』

たつやからだった。


意地悪な気持ちがムクムク膨れ上がる。
たぶん、男を弄ぶ悪女というのは、こんなものだろうか?


その日、たつやから何通もメールがきたが、そのすべてを無視した。


とおるからのメールには、すべて返信をしていたから、メールが面倒とかはなかったはずだ。

夜、たつやからのメールがきた。

『ごめんなさい、怒ってるのはわからるけど、何か言って。このメールに返事ないと、もう生きていけない。』

驚いた。私が結婚しているのをわかっていながら、彼は私を本気で想っている。

うれしさと、小さな恐怖が、私のなかに生まれた。

そして、
「わかった。もうしないでね」

とメールを返した。

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