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始まりと終わり?

[311]  あき  2006-04-02投稿
もうすぐ授業が始まってしまう。
あなたが席を立った…

私は自分の手をぎゅっと握る。

「俺、行く所あるから
先に教室いっとけよ。」

「わかってる。
ひろきも後で来るんでしょ?」

「そりゃあ、行きますよ」

「じゃあね。」

「おぅ♪」

会話が終了した。
また何一つひろきの事を知れなかった。

学食を出る時、大きなため息が出た。
外はくもり空で暗く雨が降っていた…

私はもう二年もあなたを思ってるよ…

なのに、あなたの事を一つも知らないなんて笑える。


わざと雨に濡れるように学食から離れた。
雨は冷たくて私の体をすぐに冷やした。

このまま体も心も完全に冷めてしまえばいいのに

「もう、嫌だよ…。」

私の小さな声も雨にかき消される。
このまま雨と一緒に気持ちも流れて消えてしまえばいいのに…


私なんか消えてしまえばいいのに…

「長谷川?」

急に声が聞こえて前方を見るとひろきがいた。
ひろきは小走りで私の所に駆けてきた。

「何やってんだょ。
こっち来い。風邪ひくだろ。」

ひろきは、少し屋根になっている所に私を引っ張ろと私の腕を掴んだ。

けど、私はすぐに振り払った。

「ほっといてよ!!
もぅ私にかまわないでよ!」

勝手に涙が溢れて止まらなくなって、まるで子供のようにわめいた。


かっこ悪い。
こんな顔も姿も見せたくなかったのに…

もぅいいや。
何もかもさらけ出して
消えてしまえばいいんだよ……。

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