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夢負人?

[353]  朝顔  2007-12-14投稿

投げ出したいと思う事もあった。置かれている環境を不満に思う事など常にあった。それでも田上が隣で笑ってくれるだけでこの人生も悪くはないと思えた。
「お前のお陰だよ。料理を作る楽しみもわかったしな」
自分達はそれでも友達だろう?と悠斗は田上に手を差し伸べた。その手を取り立ち上がった田上の顔は、いつもと同じ親友の顔だった。
「ありがとう……」


そこで目が覚めた。


夢だったのだろうか。
夢に違いはないが、凄くリアルで心が温かくなる夢だった。
何故だろう。涙が止まらない。
田上もきっと今頃目を覚まし、あの不思議な夢を思い出しているのだろうか−−




「で、何でお前がいるの?」
学校の帰りに夢路の事務所に寄った悠斗。礼を言うのはもちろん、田上がみるみる元気を取り戻しているのを伝えたかったからだ。
「まだ本調子じゃないですけど、あれからピエロは出てこなくなったそうです。あ、でもガキの頃の夢を見るみたいで……野球やらないかって勧められて困ってます」
嬉しさのあまりやたら饒舌な悠斗。ついこの間は憎まれ口を叩いていたせいで調子が狂った。
「妖夢は悪い奴ばかりじゃない。ま、いい夢だからっていい奴とは限らないけどな」
「ちょっと……不安にさせないでください」
所長机を拭きながら夢路を睨んだ。
「それより何でわかったんですか?」
「何が?」
「田上が妖夢にとりつかれてる事です」
「あぁ……あれは友達じゃねーよ」
悠斗と会ったあの日、夢路はすれ違った悠斗から妖夢の気配を感じ取っていた。

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