遠距離恋愛?
夕日が沈みかけた紅い景色を背に、いつもの帰り道を何も考えずに歩いていた。
ふと顔をあげると、建設中であったビルが完成し、大きなビルのその一階に本屋さんがオープンしていた。
特に本が好きなわけでもなく、買う目的もなかったがふらっと立ち寄ってみた。
そう、この本屋さんへ立ち寄ってしまったことこそが、苦しい遠距離恋愛への第一歩だったのだ。
連日ワイドショーや雑誌で大きくとりあげられ、木村拓哉のドラマで人気の職業となり、火がついたといわれる美容師。そう、当時は、カリスマ美容師ブームのまっただ中。
本屋に入るやいなや、女性向けファッション雑誌に手を伸ばした。
ページをめくると今を輝く美容師特集が掲載されている。
私は何気に読んでみた。
と、そのときどこからか、
「あ、それ俺」
かすかに聞こえた。
気のせいだろうと思い、更に読み続けた。「俺見てどう?」
また聞こえた。
ふと右を見ると、雑誌に掲載されている美容師が目の前にいた。
私は驚いて思わず息をのんだ。
高校二年生の秋だった。
つづく
ふと顔をあげると、建設中であったビルが完成し、大きなビルのその一階に本屋さんがオープンしていた。
特に本が好きなわけでもなく、買う目的もなかったがふらっと立ち寄ってみた。
そう、この本屋さんへ立ち寄ってしまったことこそが、苦しい遠距離恋愛への第一歩だったのだ。
連日ワイドショーや雑誌で大きくとりあげられ、木村拓哉のドラマで人気の職業となり、火がついたといわれる美容師。そう、当時は、カリスマ美容師ブームのまっただ中。
本屋に入るやいなや、女性向けファッション雑誌に手を伸ばした。
ページをめくると今を輝く美容師特集が掲載されている。
私は何気に読んでみた。
と、そのときどこからか、
「あ、それ俺」
かすかに聞こえた。
気のせいだろうと思い、更に読み続けた。「俺見てどう?」
また聞こえた。
ふと右を見ると、雑誌に掲載されている美容師が目の前にいた。
私は驚いて思わず息をのんだ。
高校二年生の秋だった。
つづく
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