携帯小説!(PC版)

ものごい ?

[188]  NAN  2007-12-19投稿
両親はお互いに憎しみあって…殺しあった。原因はそこら辺によくある『Wウワキ』ってやつ。
俺はあの夜にまだ小6のガキをやってた。両親の《殺しあいBGM》を聞きながら、クレヨンで紙に殴り描きをしてた。多分…家族の楽しく笑う姿を描いてたと思う。


あの日から、だいぶたつ。俺は高校2年のやや大人になった。
「槇(まき)さん!槇さんってば!!」
俺はやけにうるさいつんつん頭の男に起こされた。このつんつん頭は幼なじみの那岐(なぎ)だ。
「こんな屋上で寝てたら雪に埋もれますよ。ほらっ、見てくださいよ。むっちゃ降りそうな邪悪な雲になってますもん。」
「ないない。朝の天気予報のメタボジジイがいってたろ。今日はこれから晴れだよ晴れ!!」
寝起きで不機嫌そうな俺を見て何かを感じ取ったのか、那岐は再度開きそうな口に急ストップをかけた。
「…あっ…」
那岐が学校近くの公園に顔を向けた時にぽつりと言った。俺はその方向に首をむける。


公園前に一人の小さな子どもが座り込んでいた。雪のように真っ白な小さな小さな少女。
またぽつりと那岐がつぶやいた。
「槇さん知ってますか?先週からいるんだよ。あの女の子、こんなに寒いのにあの場所から少しも動いてないらしいっすよ」
那岐の言葉に耳だけをよこして女の子を見続けた。


あの場から動かずに全身汚れきった少女に、そばに来た通行人はあわれんでお金かパンなどの食料を置いていった。

そのことから少女は《物乞い(ものごい)》と呼ばれている。

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