ほどけた。
あっけなく。
静かに。
緩んでることすら気がつかず。

何故？何故？何故？

浮気？
いやいや。してないし。
じゃあ好きな人が？？

それともずっと前から自分の性格に嫌いな所があってそれで…？。

わからない。女ってわからない。
だってそうだろ？
昨日まで、
「好きだよ」
などと、たまらなく愛おしくなるような笑顔でいつもとかわらず微笑んでいたのだから。
気がつけるわけがない。気がつける奴などいるのだろうかと女に質問したくなってくる。
言ってくれれば…。
早いのに…。

そんな自分が彼女の別れの言葉を耳にしてから最初に口をついて出た言葉。
「俺が何した？」

普通だ。いたって普通。だって聞きたい事がそうなのだからしかたがない。

すると、
「気がついて欲しかった」

だから無理だって。いねーから。そんな奴。だけど反論してはいけない落ち着いてゆっくり。

「言ってくれれば…悪い所治すからさ…何が悪かったか言ってくれないかな？」

必至だ。そりゃね、必至になるさ。自分はそんなにビジュアルが良いわけでもない。
お金があるわけでもない。
そう、普通。ただ優しい人。
モデルやアイドルじゃないだ。無限に惚れてくれる女がいるわけじゃないんだ。
そりゃ必至にもなるさ。
１５秒くらいだろうか彼女の応答があるまで。たいしたことない。そんな数十秒が何故か長く、長く感じた。

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