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ほざき

[363]  ヒロ  2007-12-20投稿
最初に買った車は20万円のマツダRX-7。走行距離は10万キロ。シートは破れていた。タイヤの表面をさわった時にはさすがに驚いた。なんとワイヤーが中から飛び出ていた。それでも初めての愛車なので嬉しくて毎日乗り回していた。
遠くにドライブに行った帰りのこと。前方に左折をすべき交差点が近づいてきた。ブレーキを踏んで速度を落とす。ウィンカーを左に出してハンドルを左に切る。そして車は向きを変えて左折…のはずだったが現実はそうならなかった。ハンドルを左に回しても回しても車の向きが変わってくれない。まっすぐ進んだまま。頭の中と現実があまりにも違うのでパニックになる。焦った僕はさらにハンドルを左に回した。すると事態はもっと大変なことに。今度はハンドルがポロリととれてしまったのだ。ハンドルがとれたまま車は走り続ける。とれたハンドルを握ったまま左に何度も回す。当たり前だが車は曲がってくれない。その時気がつく。ブレーキを踏めばいいのだ。あわてて急ブレーキを踏む。車は音を立てて止まった。逆上した僕は両手にハンドルをしっかり握ったまま車を降りた。そして今度はハンドルを握りしめて自分の足で走り始めたのであった。

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