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彼の恋人

[626]  高橋晶子  2007-12-21投稿
桜庭学園の隔年行事・体育祭が始まった。校内行事で出席日数にカウントされるため、生徒は参加せざるを得ない。
ジャージのデザインまで桜庭の保守的な体質が浮き彫りになる。泉が怒りを込み上げる。
「この紺ブルマ。今時ロリコンとかフェチにしか見向きされないわよ! 男子は白短パンで太股丸出し! 修学館と青海のジャージはカッコいいから嫉妬しちゃうわ!!」
「泉ちゃん、声大きい」
男子は青いスーツ、女子は小豆色のスーツと言ったら確かに記号的だ。修学館は赤・青・緑の学年色に見頃の両サイドに蛍光色のラインが襟元まで走るデザインで、青海は水色の見頃に白い一本線が走る紺のラグラン袖とくれば、不満を口に出さずにはいられない。生徒は完全に諦めモードで、体育の授業は殆ど手を抜いている。だが、今日は体育祭だ。怠けている場合ではない。

入場行進に始まり、準備運動の後、生徒はクラス毎に分かれる。クラス対抗戦なのだ。みくと暁、泉、惇はそれぞれのクラスで敵同士となる。
種目は全て全員参加の団体戦。綱引き、玉入れのリーグ戦、3年生が制服姿で踊る演目があって、極めつけは30人31脚のタイムアタックである。
夕刻まで白熱した戦いが続き、2年生の就職クラスが圧倒的が強さを発揮して優勝した。

翌日、名波は姉の学校での出来事を吹聴しまくった。連帯感を重んじる桜庭の姿勢に同級生も先輩も後輩も寒気を感じた。異口同音に「桜庭に入らなくて良かった」と言い合う。
しかし、博文は違った。
「今の2年生はラッキーだったな。来年は文化祭の年だから踊る事はないもんね」
「それも、みんなで輪になって『マイムマイム』よ! 恋愛禁止の青春を象徴するようで恥ずかしいわぁ!」
名波は思わずタメグチで喋って顔を赤らめる。

青海でも、大の吹聴に同級生も先輩達も寒気がした。
「男女同権の時代に白短パンと紺ブルマはないでしょう!?」と祥恵。
「でも本当に良かったよ。ウチんとこも修学館も白短パンと紺ブルマがなくて」と關。

もうすぐ青海の文化祭。吹奏楽部のレベルの高さを市民に知らしめる絶好のチャンスである。追い込みは直前まで続く。

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