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友達以上夫婦未満

[130]  まろ  2007-12-22投稿
その頃姑さんが進行性のガンである事を知った。
姑さんは夫の浮気に耐えて何十年連れ添い、愚痴を聞く相手は私ぐらいだった。もはや同じ苦しみを味わった友達のようになっていたから、姑と言えど、私にはかなりの打撃であった。姑さんは病院のベッドで「あんた、息子と結婚して良かったと思うか?」と聞かれた。驚いた。私は姑さんに心配をかけたく無かったから旦那の浮気の事は一切話していなかったから。
「そやなぁ。ある意味勉強さしてもらってると思うよ」
他に答えが見つからなかった。
家族全員でお見舞いに行き、モルヒネで寝たり起きたりの姑さんに耳元で囁いた。「お母さんもう頑張らなくていいよ」と。
帰るわねと言った時、眠っている姑さんの目に涙が流れていた。そっとティッシュで拭いて帰宅したら危ないと電話が入った。
病院へ向かう車の中で「○○さん、息子を頼むわね」と聞こえた。心の中で「え?ちょっと待ってお母さん」と話しかけると「もうあかんねん。ありがとうね」と聞こえた。
ちょうどその頃、息を引き取ったそうだ。
それから旦那はローンで高級魚を買った。姑さんの名前を付け、「これを買ってもう飲みに行くのを止める」その言葉を信じてまたもや裏切られる。
飲みに行けば朝帰り。姑さんとの約束は守れそうになくなった。
今度は本当に家を出た。「早く借金を返して迎えに来て」と言い残し。
10年間自営業の手伝いをしていた為、勤めに出るのは非常に不安でいっぱいだった。3人の子供を一人で育てなければならない。派遣で働き出した私は、ただお金と子供の気持ちを考える事で精一杯だった。
数日後、旦那の車を借りたら灰皿に山盛り口紅の付いた吸い殻があった。
この人にはもう頼れない。人間じゃない。恨みや憎しみに似た感情と、それでもまだ彼に嫌われたくない自分の情けない感情のハザマで、当時は良き妻であろうとする私もいた。
旦那からは何度か戻って来て欲しいと言われたが、まだ遊び続けている彼をそばで見る事は出来そうになかった。
頼ろうと思っていた福祉も税金対策に取っていた自分の給料が高く、前年所得が上がり過ぎた為、もらえずに、借金が増えて行った。
もちろんその頃、家計を切り盛りする人間が居なくなったのと高い飲み代に旦那も借金に追われていった。

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