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レジェンド‐新世紀伝説 10

[423]  朝倉令  2006-04-05投稿

  お転婆



「ここのリーダーが誰か聞いてから来たのか?ドラゴン」

「‥…いや、ただ男手がないし、不穏な噂があるからって言われただけさ」


 ちょっと思わせぶりな態度のリンに、山際晋は怪訝な顔。


「まぁ、会えばわかるさ」
 ククッと含み笑いをしながら剛(ごう)。




「あ!晋兄ちゃんじゃないの!! か弱き乙女を救いに来てくれたのね」


 集落の入り口で竹の防御柵づくりを指図していた娘が、晋の姿に気付いて手を振ってきた。


「… イーズ、か弱いって言葉の意味わかって使ってる?」

「あ、ひどーい。 あたくしはもう、大人の女でございますのよ、オホホ」


口の傍に手をやり、気取って返事する娘を晋はやれやれといった顔で見ていた。

 リンと剛はプッと吹き出している。




 この女ばかりの集落を率いている段英子(たん・いーず)は山際晋の師匠の娘である。 やはり彼女もカンフーを身につけている。

 向うっ気の強さと勁の強大さから、『猛虎』と陰口を叩かれていた女傑である。


  うーん… 襲ってくる連中の方が気の毒?……



 テキパキと指示を下しながら方々を飛び回るイーズを眺めていた山際晋は、こっそりと呟いていた。





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