彼の恋人
青海市に文化祭シーズンが到来した。青海高校はその先陣だ。
前日、博文はいつもの落書きの返事にしょんぼりした。
青海の文化祭は毎年楽しみにしてるけど、今年は行けない(;O;)
そう、昨年は全日制組5人に佳純を加えた顔触れで青海の文化祭を楽しんだものだった。だが、今年は6人揃って楽しめるのか……?
当日、現地集合した面々を見渡した裕介は博文を問い詰める。
「博文ィ! みくの両親も一緒に来るとは聞いてないぞ!」
「みくには内緒で見に行くと言って、ついて来ちゃったんだよ!!」
みくの母・規子が挨拶がてらに弁明する。
「あら、皆さん初めまして。貴方方が博文君のお友達ですね? 私、高校時代は温室環境に身を置いていたから、この歳になって他所の空気が新鮮に映りましてねぇ」
規子は上品そうに高笑いする。克彦は上機嫌だ。
「桜庭は毎週のように日曜日に校内行事があるのさ。今日は土曜だけど、公立と違って授業があるから残念だね」
桜庭の王道カップルを無視して博文達5人は校舎に吸い込まれていく。パンフレットを頼りに校舎の中を歩くと、1枚のポスターが5人の目に留まる。
「『ジ・ヲバ芸ショー』だって。何これ?」
「11時に寝ちゃうモーリーは知らないか」
「臨、説明は後々! 丁度今始まる所だからモーリーも入った入った!」
博文と裕介が黙ってショーが行われる教室に入って行ったので、臨と孝政は千聖に促されて教室に入る。
会場内は中高生で埋め尽くしている。薄暗い室内が突然明るくなり、特設ステージ上に女子生徒が現れた。彩子だった。
「皆さん、ジ・ヲバ芸ショーの時間です。オバサンがヲタ芸をする、略してヲバ芸。この深夜ネタを、今回はショー形式で皆さんにお届けします。『純情(スンジョン)』!」
彩子の背後のカーテンが開き、オバサンに扮した9人の男子生徒が姿を現す。彼等は『純情』の曲に合わせて、独特の激しい全身運動で観客を魅了する。
「ギャハハハ! 深夜にこんなもの見ないと1日が終わった気がしなかったもんなぁ、裕介」
「そうだよな!」
深夜番組から抜け出した非現実な一時に、孝政は置き去りにされてしまった。それだけ4人の笑い声が耳に痛かった。
前日、博文はいつもの落書きの返事にしょんぼりした。
青海の文化祭は毎年楽しみにしてるけど、今年は行けない(;O;)
そう、昨年は全日制組5人に佳純を加えた顔触れで青海の文化祭を楽しんだものだった。だが、今年は6人揃って楽しめるのか……?
当日、現地集合した面々を見渡した裕介は博文を問い詰める。
「博文ィ! みくの両親も一緒に来るとは聞いてないぞ!」
「みくには内緒で見に行くと言って、ついて来ちゃったんだよ!!」
みくの母・規子が挨拶がてらに弁明する。
「あら、皆さん初めまして。貴方方が博文君のお友達ですね? 私、高校時代は温室環境に身を置いていたから、この歳になって他所の空気が新鮮に映りましてねぇ」
規子は上品そうに高笑いする。克彦は上機嫌だ。
「桜庭は毎週のように日曜日に校内行事があるのさ。今日は土曜だけど、公立と違って授業があるから残念だね」
桜庭の王道カップルを無視して博文達5人は校舎に吸い込まれていく。パンフレットを頼りに校舎の中を歩くと、1枚のポスターが5人の目に留まる。
「『ジ・ヲバ芸ショー』だって。何これ?」
「11時に寝ちゃうモーリーは知らないか」
「臨、説明は後々! 丁度今始まる所だからモーリーも入った入った!」
博文と裕介が黙ってショーが行われる教室に入って行ったので、臨と孝政は千聖に促されて教室に入る。
会場内は中高生で埋め尽くしている。薄暗い室内が突然明るくなり、特設ステージ上に女子生徒が現れた。彩子だった。
「皆さん、ジ・ヲバ芸ショーの時間です。オバサンがヲタ芸をする、略してヲバ芸。この深夜ネタを、今回はショー形式で皆さんにお届けします。『純情(スンジョン)』!」
彩子の背後のカーテンが開き、オバサンに扮した9人の男子生徒が姿を現す。彼等は『純情』の曲に合わせて、独特の激しい全身運動で観客を魅了する。
「ギャハハハ! 深夜にこんなもの見ないと1日が終わった気がしなかったもんなぁ、裕介」
「そうだよな!」
深夜番組から抜け出した非現実な一時に、孝政は置き去りにされてしまった。それだけ4人の笑い声が耳に痛かった。
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